妊娠を発表したバービーが、うまくいかない妊活中に涙ながらに僕に言ったこと
「他の人のところへ行きたいと思ったら言ってね」
そして、今から一年ほど前に2人で今後の妊活について話し合ったことがある。 「妊活をペースダウンさせていこう」 ある程度やり切った感覚があった。このままのペースで妊活を続けていたら、何かを犠牲にして、手放すことになりそうだ。2人で話し合い、やんわりとそう決めた。それは僕たちの心を守る選択だった。僕はそう認識している。 あの時、どこか寂しさもあったけれど、同時に安心に近いような感情を抱いたことも覚えている。かなり負荷がかかっているはずなのに、いつでも気丈に振る舞っている妻のことが心配だったからだ。 「つーたんの遺伝子を残せないのは申し訳ないから……他の人のところへ行きたいと思ったら遠慮なく言ってね」 一緒にお風呂に入りながら、妻がそんなことを目に涙をためて口にした夜もあった。僕は、今世を妻と一緒に歩むことを決めているので、2人でいられたら十分に幸せだ。愛犬の神だっていてくれている。僕は、そんなこと言わないでほしいと諭したものの、あまり真に受けてもらえていないような気がして、かえって不安になった。 いわゆる不妊治療のために頻繁にクリニックに通い、身体的にも精神的にも辛い中で、変わらずに仕事に向かう妻。こうして文字にしたら何の気なく読めてしまうが、それは並大抵のことじゃない。妻の姿を見ていて、代われるものなら代わりたいと何度も思った。 だからこそ、望むような結果につながらなくても、僕には落ち込んでいる暇なんてない。落ち込んで下を向くことにも意外と体力を使うのだ。同じエネルギーを使うなら、前に進むための行動に使うべきだろう。いつからかそう思うようになっていた。 僕にしかできないこともきっとあるはずだ。妊活に関する情報収集、身体を整えるハーブティーを煮出すこと、リフレッシュの機会を作り出すこと、薬やサプリメントの時間にリマインドすることなど。夫婦というチームで妊活を進めることは、あえて違う視点を持つことも必要なのかもしれない。 ◇後編では、妊活をペースダウンした後に、不妊治療を再開するきっかけとなった出来事や、その後の妊活について綴っていただきました。
つーたん(会社員)