ジャーナリズムをどこまで守ることができるのか? 世界最大級の SSP が考える、健全なエコシステム構築に必要なこと
人の目で精査することの重要性
DD:ジェネレーティブAIの普及がMFA問題に与える影響も考えられます。 ジェシカ:おっしゃるとおり、ジェネレーティブAIはカスタマーエクスペリエンスの最適化や広告効果の最大化に力を発揮する一方で、MFAを拡大させる危険性もはらんでいます。ジェネレーティブAIによってMFAが量産されると、我々のツールも間違った選択をしてしまいかねません。ただし、ジェネレーティブAIが作ったコンテンツやビジュアルは、どこか違和感があるものが多い。その点でも、Index Exchangeのツールと人の目、両方で精査する方法は有効に機能していると思います。 星:ジェネレーティブAIによって今後は検索行動が変わっていくことも予想されるので、社内で研究を進めているところですが、Index ExchangeのようなSSPがMFAを積極的に排除しようとする姿勢は、バイイングサイドから見ても安心できます。 DD:最後に、日本のパブリッシャーや広告主にメッセージをお願いします。 ジェシカ:日本はデジタル広告において、非常に勢いのあるマーケットです。MFAなどの課題を完全に排除するには、連携が必要だとお話ししましたが、電通ジャパン・インターナショナルブランズとのパートナーシップを通して、我々がその一部になれるのはとても光栄なことで、これからの展開にワクワクしています。 星:健全なエコシステムを構築するには、エージェンシーとIndex Exchangeのようなパートナー、そしてクライアントの三位一体で推進しなければなりません。我々が旗振り役となり、さまざまなステークホルダーを巻き込んでいくことで、業界全体がより良い方向へ進めるよう努力していきたいと思います。 文/山本千尋、企画・インタビュー/分島翔平、島田涼平 写真/三浦晃一
編集部