<全豪テニス>19歳の大坂なおみが飛躍の地で挑むベスト8!
なお大坂は今大会の目標について問われると、「まずはベスト8を目指したい」と言った。そのベスト8で対戦する可能性があるのが、正にセリーナ・ウィリアムズ。掲げた目標の達成は、彼女の少女時代からの夢を一つ叶えることになる。 時速200キロを超えるサーブとフォアの強打でテニス界に多大なインパクトを残した大坂が、ここ数年留意し、年末のオフでも特に力を入れてきたのが、安定感の向上と「テニスというゲームを理解すること」だったという。自分の武器と弱点を知り、戦術理解度を深め、ポイントを取るパターンを増やすことを目指してきた。その彼女の傍らに立ち指南役を務めたのが、昨年終盤に日本女子ナショナルチームのアドバイザーに就任した、デイビッド・テイラーである。 テイラーのコーチとしての最高の名声は、2011年全米優勝者のサム・ストーサーを育てたこと。特に、ストーサーの最大の武器であるキックサーブ(バウンド後に高く跳ねるサーブ)は、テイラーによって授けられたものだった。また、ストーサーがーシングルスのみならず優れたダブルスプレーヤーとして活躍したことからも、テイラーの幅広い指導手腕を裏付ける。そのテイラーから大坂は今、急激なスピードで多くの技術や知恵を学んでいる。 「大きなスタジアムでプレーするのが好き」 物怖じしない19歳は、常々そう公言している。今大会でも勝ち上がれば……特に、もし準々決勝でウィリアムズと対戦するともなれば、またセンターコートに立つのは間違いない。 夢を語ることをためらわず、上を目指すことに純粋で貪欲な彼女は、1年前より遥かに成長した姿を、メルボルンの大舞台で披露する日を待ち望んでいる。 (文責・内田暁/スポーツライター)