【ジャパンC】1999年は「日本総大将」スペシャルウィークが欧州最強馬モンジューを撃破 外国馬と激戦が繰り広げられた3レースを振り返る
2005年 レコード勝ちで歴史の壁を塗り替えたアルカセット
1989年にホーリックスがジャパンCで樹立した「2分22秒2」の世界レコードは多くの競馬関係者を驚かせた。当時、このレースの時期になると芝生は茶色く枯れていた時代。その中で記録されたタイムだけに、驚きも大きかった。 2005年のジャパンCも超豪華メンバーだった。サンクルー大賞の勝ち馬アルカセット、前年の凱旋門賞馬バゴ、前年のBCフィリー&メアターフなどを制し、2004年の欧州年度代表馬ウィジャボード、BCターフ勝ち馬ベタートークナウ、米国GⅠ馬キングスドラマ、バーデン大賞連覇中のウォーサンと、6頭すべてがGⅠ馬だった。 迎え撃つ日本勢は、前年に秋古馬三冠を制して年度代表馬に輝いたゼンノロブロイ、同年の宝塚記念2着馬のハーツクライなどが出走した。 レースはスタートすると、2年前に9馬身差でジャパンCを制したタップダンスシチーが積極的にハナを主張。スローペースとはならずに1ハロンあたり11.8~12.0秒というラップが淡々と刻まれ、最初の1000mの通過は58秒3のハイペースとなった。 ラスト200mで先頭争いが横一線となり、ゼンノロブロイが抜け出そうとするも、内からアルカセットが追いすがった。そしてラスト100mになるとハーツクライが馬群の間からもの凄い脚で追い込み、アルカセットとの叩き合いに。そのまま並んでゴールした。 最後はアルカセットがハーツクライをハナ差しのぎ勝利した。驚いたのは表示された勝ちタイムの「2分22秒1」という数字。不滅と思われたホーリックスの記録が16年のときを経て破られた瞬間だった。
2006年 無念の帰還から改めて最強を証明したディープインパクト
第26回にして過去最少の頭数で行われた2006年ジャパンC。この年の主役は何といってもディープインパクトだ。前走は凱旋門賞に参戦。日本馬の悲願達成が期待された一戦だったが、結果は無念の3着(レース後に失格)。しかし、ファンはディープインパクトを単勝1.3倍の1番人気に支持した。 2番人気は前年の有馬記念でディープインパクトに土をつけ、前年のジャパンCでアルカセットと接戦を演じたハーツクライ。3番人気が昨年の5着馬ウィジャボード、4番人気がその年の二冠馬メイショウサムソンと続き、道営のエースであり英雄のコスモバルクや、ヴェルメイユ賞4着のフリードニアも出走していた。 レースは逃げ馬不在の一戦だったが、敢然とハナを奪ったのはコスモバルク。ただ最初の1000mは前年とうって変わって61秒1というスローの流れ。ディープインパクトは最後方につけ、全馬を見るような形でレースを進めた。 ディープインパクトはラスト800mを切った辺りで一気に上がっていき、その姿はいつもの走りだった。4コーナーで大外をまわり、最後の直線では一頭ずば抜けた脚で前にいた馬たちを差し切った。 ゴールと同時に武豊騎手の右手が力強く握りしめられた。ラストランの有馬記念で挑むはシンボリルドルフ、テイエムオペラオーに並ぶGI・7勝目。果たしてどのようなレースを見せてくれるのか。誰しもが伝説の最終章を想像し、胸を熱くした。