【西武】平良海馬 再燃した〝配置転換〟問題どうなる?「僕は僕で先発への思いがある」
西武・平良海馬投手(25)の配置転換問題が再び勃発している。 平良は3日の契約更改交渉後に「サインはしてないです。先発か中継ぎかの件でサインができない状況です」と2年ぶりに保留したことを明言。自身の希望は2022年12月の交渉時に勝ち取った先発への復帰だ。 当時の平良はそれまでの4年間で、203試合(194回2/3)に登板して7勝、31セーブ、94ホールド、防御率1・66、230奪三振をマーク。セットアッパーとして腕を振り続けてきたが「2019年から先発をやりたいと言ってきた。さすがに来年も中継ぎはやれない。(先発への)チャンスもないということで個人的に不公平感が募って今、大爆発です」と先発への強いこだわりを公言した。 本人と交渉に当たっていた渡辺久信GM(当時)は「彼はスペシャルなんで、簡単に(配置転換とは)いかない」と困惑。就任したばかりの松井監督、豊田投手コーチと相談しながら、最終的にはかたくなに先発転向を訴えてくる平良の意思を尊重して球団側が配置転換をのんだ経緯がある。 今回の先発復帰問題は今年5月に右前腕の張りで戦列を離れた平良が8月に復帰した際、渡辺監督代行がヒジへの負担を考慮して「先発として長いイニングで復帰するより、短いイニングでリリーフとして戻ろうか」と本人を説得。緊急措置のような形で2年ぶりのリリーフ転向が実現した。 先発として投げた23年の11勝7敗、防御率2・40の内容を見ても十分な適性を証明したが、1イニング限定のリリーバーとしては出力が増す分、直球の威力や質が先発時と比べると段違い。試合の終盤を劣勢で迎えても、平良が登板すると流れを一気に落ち着かせる存在感は圧倒的だった。 守護神・アブレイユの去就問題も絡み、西口文也監督(52)は計算が立つ平良の「セットアッパー継続」を望み、11月に本人と直接交渉。その意向を受けた球団とも2度会談したが、平良は「単純に先発の方がチームに貢献できる。監督の思いは強いと思いますが、僕も僕で先発への思いがありますし、チームに貢献して優勝したいと思っています」と話し合いは平行線をたどってきた。 平良の中継ぎとしての能力がスペシャル過ぎるゆえに2年ぶりに繰り返された〝配置転換問題〟。2年前と異なるのは平良が「妥協点は探っていかなくてはいけないと思っています」と冷静に構えている部分がある点だ。果たしてどんな決着をみるのか――。
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