【日本昔ばなし】桃太郎には“妹”がいた!?←噂の真相を調べてみた
超有名な日本昔ばなしといえば、「桃太郎」。有名なだけに、物語に登場するおもな人物と聞かれれば、おじいさんとおばあさん、犬、猿、キジ、鬼ヶ島の鬼、そして桃太郎、と答えられる人がほとんどだと思います。 【写真】知ってた? 桃太郎には妹がいた! 『桃太郎の妹』のあらすじ ところが、とある人物から「桃太郎には妹がおったらしいんやけど……」という話を聞きまして。 「え~っ、妹!? 桃太郎に!?」と、完全に初耳。これは調べてみないと、と思ったわけです。 桃太郎の言い伝えがある岡山の知り合いに聞いてみたところ、「うん、妹がおったらしいよ。おばあちゃんから聞いた」と、あっさり返答。 その知り合いは続けて、「岡山のお土産の“きびだんご”の中に入っていたリーフレットにも『桃太郎の妹が……』みたいなことが書いてあったよ」と言うんです。 この噂の出どころに迫ろうと思い、桃太郎に関する本をいくつも読みあさってみると、「これが出どころちゃうか?」と感じる1冊の本にたどり着きました。 その本とは、1914(大正3)年に出版された、相馬泰三さんの作品。その名も、『桃太郎の妹』です。 【ストーリー】 むかしむかし、川上から大きな桃が2つ流れてきました。おばあさんは大きいほうの桃を持ち帰り、その桃から桃太郎が生まれました。一方の桃は海まで流れていき、行方はどこへ……。 桃太郎が生まれてからしばらくしたある日、漁師が釣った鯛のお腹から大きな桃の種が出てきたそう。その種から誕生したのが、なんと! 桃太郎の妹で、名は「お桃」。 そこからいろいろな展開があり、ひょんなところで兄の桃太郎と再会。ああだこうだ、すったもんだありながら、最後はめでたしめでたしとなるわけです。 以上が、日本昔ばなし「桃太郎」のスピンオフ作品。非常におもしろい作品なので、この本を読んだ人が子どもを寝かしつけるときなどに従来の桃太郎と同じように語り聞かせ、語り継がれたのではないでしょうか。 この本が出版されたのが大正3年のことなので、昔ばなしといえば昔ばなしですもんね。 この物語を聞いた子どもが「桃太郎には妹がいる」と思い込んで、そしてまた次の世代の子どもたちへと伝えていった可能性は大いにあるなあ、と思いましたとさ……。めでたしめでたし。 ※相馬泰三著『桃太郎の妹』は、国立国会図書館のデジタルコレクションでの閲覧が可能です。 ※ラジオ関西『バズろぅ!』2024年11月2日放送回より (『バズろぅ!』ラジオパーソライター・わきたかし)
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