【Neoセルフラブの始め方】「弱くあってもいい」と思えるために
他人からの評価はわかりやすいけれど、自分への肯定は目に見えない
――著書では、「エマ・チェンバレンやビリー・アイリッシュなど、“完璧じゃない自分”を発信するインフルエンサーが増えている」と書かれていました。でも、実際に完璧ではない自分を認め、さらけ出すのは怖いことでもあると感じます。 竹田さん:まず、「“完璧じゃない自分”を発信するインフルエンサーが増えている」のには、アメリカのセレブリティが「憧れ」から「共感」する存在に変わってきているという背景があります。インスタグラムができたばかりの頃は、SNSのなかのセレブリティはつねに完璧で、「うらやましい」という気持ちを掻き立てる存在でした。それが最近では、「セレブはリアルでなければいけない」という価値観にシフトしています。例えば、自分が住んでいるアパートを撮影して“普通の家”に住んでいることをアピールする人も。いかにリアルであれるか、いかに共感を得られるかの競争になってきているんです。 そういう流れがある一方で、私自身も見た目のことで悩んだり、「変だと思われたら嫌だな」と考えて落ち込むこともあります。でも、「社会のなかでよいとされている〇〇に比べたら自分はだめだ」という考え方は、相対的な他人軸の価値観でしかないんですよね。まわりからの評価ってとてもわかりやすいけれど、自分への評価や肯定は測りづらくて、一見社会的価値がないように感じられてしまう。でも長期的な目で見たら、死ぬまで自分と一緒にいるのは自分。だったら、1秒でも長く自分を愛するトレーニングをしたほうがいいと思うんです。 竹田さん:私は、新しいセルフラブにおいては、「流動性」という言葉がキーワードになってくるなと思っています。すなわち、「自分はこうだから」と決めつけず、変化を楽しむことです。例えば、10代ではこれが好きだったけど20代では別のものが好きで、30代ではまた別のものが好きになる、というように、セクシャリティやジェンダー、ファッションの好みや体型、考え方は変わっていくもの。だからひとつの正解を追い求めて自分の可能性を否定するのではなく、変化していく過程を楽しめたらいいですよね。