【Neoセルフラブの始め方】「弱くあってもいい」と思えるために
「無理をしなければ何も成し遂げられない」と「それでも自分を大切にしたい」の狭間の葛藤
――本書の中で、「セルフラブ」は、自分磨き=「セルフヘルプ」の概念とは異なると書かれていました。yoiの読者のなかには、「無理をしなければ何かを成し遂げられない」というセルフヘルプと、「自分に優しくしたい」というセルフラブの理想のあいだで悩んでいる人が多くいると感じます。そんななかで、新しいセルフラブを取り入れていくためには、どのように考え、行動したらいいと思いますか。 竹田さん:今“常識”だと思い込んでいることが、必ずしも正しいわけではない、と自分で「再教育」することが、きっかけになるかもしれません。日々生きているとつねに向上心を持つことがよいとされ、「○○できなかった自分はダメだ」と罰則ベースで考えてしまうことが多いけれど、本当にそうだろうか――。「無理をしなければ何かを成し遂げられないかもしれない」という考えを一度疑って、自分で学び直してみる。 例えば、これまでアメリカでは、過剰に働いて向上していくことが美徳とされる「ハッスルカルチャー」という文化がありました。それに対抗するように、競争から離れてピースフルな環境で生きていく「ソフトライフ」という概念ができたのも、常識を疑う流れのひとつだと思います。 この「学び直し」において私の例を挙げると、“みんなに好かれなくていい”と気づいたことかも。「全員に好かれるのではなく、自分にとって大切な人に好かれることを目標にしよう」と思えた瞬間があって、この発想にたどり着けたのは人生の転機だったと感じています。自分自身の再教育を何度も繰り返して「こうでなければいけない」を捨てることが、新しいセルフラブにつながっていくんだと思います。
“今持っているもの”に感謝してみる
――「再教育」というのは、あまり聞いたことがない言葉でした…! 竹田さん:ほかにも、自分の気持ちや考えを整理して書き出すジャーナリングは以前から人気ですが、「感謝ジャーナル」をつけてみるのもひとつの手だと思います。“今自分が持っているもの”に感謝して書き出していくことで幸せな気持ちになれる。これは心理学的にも実証されているんだそうです。 私の場合は、心が苦しくなったらセラピーに行って、セラピストの人と話すことが多いです。自分の状態を言語化して整理することで、何をすべきかが見えてくる気がする。これも再教育のひとつのきっかけになると思います。日本はアメリカほどセラピーが身近ではないかもしれませんが、話す相手は自分が属すコミュニティでも友人でもよくて、頼れる人がいる、ということが大切なのかなと感じています。