【Neoセルフラブの始め方】「弱くあってもいい」と思えるために
「強くなる」ためのセルフラブではなく、「弱くあっていい」ためのセルフラブ
――最後に、竹田さんが実践している“Neoセルフラブ”はありますか? 竹田さん:目の前のことを楽しむことです。マインドフルネスにもつながりますが、友達と話しているときやおいしいコーヒーを飲むといったささいな時間も、「次はあれしなきゃ」とほかのことに気を取られることをやめて、まずはその時間を楽しむ。お金持ちになるとか、いい仕事につくといった、「他人軸の幸せ」を手に入れるために、今を犠牲にしないということです。 そう考えると、これからのセルフラブ=“Neoセルフラブ”は、何かを成し遂げて強くなっていくためのセルフラブではなく、“弱くあってもいい”ためのセルフラブだと思うんです。人は不完全さのなかで人生を楽しむ権利があるから。一人一人が、完璧ではない自分の弱さを認めて、受け入れられれば、他人の弱さを受け入れられる社会に変わっていく。私はそう信じています。 ライター 竹田ダニエル 1997年生まれ、カリフォルニア出身、在住。「音楽と社会」を結びつける活動を行い、日本と海外のアーティストをつなげるエージェントとしても活躍する。2022年11月には、文芸誌「群像」での連載をまとめた初の著書『世界と私のA to Z』を刊行。そのほか、現在も多くのメディアで執筆中。 取材・文/浦本真梨子 企画・編集/種谷美波(yoi)