【Neoセルフラブの始め方】「弱くあってもいい」と思えるために
カリフォルニアに暮らし、さまざまなメディアを通して「カルチャー×アイデンティティ×社会」をテーマに発信するZ世代のライター、竹田ダニエルさん。2022年11月に出版した初のエッセイ本『世界と私の A to Z』は、SNSをはじめとするさまざまなメディアやプラットフォームで大きな反響を呼びました。 【画像】メンタルヘルスを整えるアイデアまとめ 当書の第1章で扱ったトピックは、「セルフラブ」について。竹田さんは、Z世代的な価値観におけるセルフラブとは、これまでの “もっと上に行くための自分磨き”=「セルフヘルプ」と、大きく異なるといいます。そこで、Z世代的な価値観におけるセルフラブ=“Neoセルフラブ”とはどのようなものなのか、どうすればそれを始めることができるのか、竹田ダニエルさんに伺いました。
これからのセルフラブは、“無駄なものを排除していくこと”
――「Z世代」とは、一般的に1990年代半ば~2010年頃までに生まれた人々を指しますが、竹田さんはこの「Z世代」という言葉を、特定の期間に生まれた “年代層“であるだけではなく“価値観”でもあるとおっしゃっています。また、デジタルネイティブで環境問題やジェンダー、人種差別に対する関心が高く、変革意識を高く持つ“Z世代的価値観”を共有する人々のなかで、「『セルフケア・セルフラブ』にも革命が起きている」と著書に書かれていました。この、Z世代的な価値観における「新しいセルフラブ」とはどのようなものなのでしょうか。 竹田さん:Z世代的な価値観における「新しいセルフラブ」は、皆に当てはまる画一的なものではなく、それぞれが「自分にとって何を最も優先すべきなのか」と向き合ったうえで、“無駄なものを排除していく行為”かなと思います。無駄なものというのは、自分にとって「悪」であるもの。険悪な人間関係を断つとか、気持ちに反して無理していたことをやめるとか。 これまでは、セルフラブというと消費行動を通して自分の機嫌を取ったり、スキルアップに励んで自己肯定感を上げるなど、金銭を払って何かを「プラス」していく傾向がありました。でもそれで一時的に気が紛れたとしても、根本的な問題は解決していないんです。逆に、まずは自分にとってよくないものを遠ざけていくことが自分を大切にすること=セルフラブである、という考えが、Z世代的な価値観のなかではより重要視されるようになってきていると思います。