韓国与党から苦肉の策「尹大統領、安家など第3の場所で警察の調査を受けては」
韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対する逮捕令状執行を巡って政局の緊張感が高まる中で、与党「国民の力」は大統領の安全家屋、いわゆる「安家」など第3の場所で尹大統領が調査に応じる方案を竜山(ヨンサン)大統領室に提案する方針であることが確認された。ただし、捜査主体を公捜処ではなく警察に変えることが前提だ。 与党核心関係者は5日、中央日報に「尹大統領が安家など衝突の危険を最小化できる第3の場所や、思い通りにいかないなら官邸で調査を受ける方案を竜山に提案することを検討中」としながら「尹大統領が憲法裁判所弾劾審判弁論も直接行うことにしたことから、これとあわせて捜査にも応じることができるだろう」と話した。別の関係者は「立場さえ調整できれば場所の選定から調査まで多くの時間がかかる仕事ではない」とし「尹大統領が逮捕調査は拒否するものの直接調査に応じるなら、国の品格も守られて漢南洞(ハンナムドン)官邸を巡る支持層間のにらみ合いはもちろん、捜査機関と大統領警護処間の衝突も防げないだろうか」と話した。 これは6日で終了する逮捕令状の執行を尹大統領が頑なに拒否して社会的葛藤が引き返せないほど深くなり、また令状拒否に対する世論の反感が高まることを考慮した対応だとみられる。これに先立ち、3日公捜処は逮捕令状執行を試みたが、警護処がこれを阻止して不発となった。与党はひとまず公捜処が主導する逮捕令状執行の試みには「越権であり不公正」〔(権寧世(クォン・ヨンセ)非常対策委員長)、「無理な執行〔(権性東(クォン・ソンドン)院内代表〕と言って反対している。 カギは尹大統領がこのような第3の場所での調査を受け入れるかどうかだ。これに先立って尹大統領側は「適法な捜査要請には堂々と応じるだろうが、憲法裁判所弾劾審理が先」という立場を明らかにした。これに関して与党の重鎮議員は「いま与党提案は公捜処強制捜査問題を解消して、大統領自ら調査に応じるように道を開ける面があるだけに尹大統領が前向きで考慮する可能性が高い」と話した。 与党は尹大統領が調査に協力すれば逮捕令状の執行を避けられるとみている。実際に2004年不法政治資金授受容疑を受けたハン・ファカプ元民主党代表に対する拘束令状が発付されたが、党員たちが党事務所の出入口を防いで不拘束起訴で終了した事例がある。 ただし、捜査主体が変更されるかどうかは未知数だ。与党関係者は「民主党も公捜処が警察に事件を移行しようという主張が出てくる以上、不可能なことはない」と話した。