灘高と甲南女子大がコラボした「性教育」講座後に起きた「バカとエロの大縄跳び」の背景
女性を蹴落とそうとする人間に騙されるな
プレゼンテーションで示されるエビデンスの数々は私にとっては目新しいものではありませんでしたが、司会者からの「これを聞いている14歳の男子がいたら、何を伝えたいですか?」という質問に対するリーヴス氏の回答が素晴らしかったので紹介します。 「1つめに、もし君が学校などで困難を感じているとしても、君のせいじゃないってこと。システムが君にとって効果的でないだけなんだ。2つめに、君のことを見ているよ。私たちが君を理解し、守るよ。そして3つめに、君の困難が女性のせいだという人間を信じるな。フェミニズムや社会の変化のせいじゃない。男性が浮上するために女性を蹴落とそうとする人間に騙されるな。君の苦しみはわかる。でも足を引っ張るな。ネットにはびこる闇に背を向けろ」 私はこの言葉を、灘の記事へのつまらない書き込みをしたひとたちにも贈りたいと思います。 男子校に限らず、すべての学校において性教育やジェンダー教育がもっとしっかり行われるようになれば、あのような書き込みをする無知や偏見がなくなるだけでなく、「男らしさ」にかかわる不全感を抱く必要もなくなり、従ってあのような書き込みをする動機も消えるのではないかと思います。
おおたとしまさ(教育ジャーナリスト)