「アルマーニ」初の日本人メイクアップアーティスト上田裕美が語る、ショーのバックステージと目指すイノベーション
「アルマーニ ビューティ(ARMANI BEAUTY)」は1月、新グローバル メイクアップ アーティストに大阪府出身の上田裕美を任命した。上田メイクアップアーティストは今後、15年間にわたり同ポジションを務めたリンダ・カンテロ(Linda Cantello)の後任として、商品開発やキャンペーンビジュアルの制作に携わる。1月23日(パリ現地時間)に開かれた「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」2024年春夏オートクチュール・コレクションでは、ペインティング風の華やかなメイクを披露した。 【画像】「アルマーニ」初の日本人メイクアップアーティスト上田裕美が語る、ショーのバックステージと目指すイノベーション
「アルマーニ プリヴェ」のメイクは
1920年代からインスパイア
WWD:今回の「アルマーニ プリヴェ」のショーでは、デザイナーとどのようなやりとりがあり、どのようなテーマでメイクアップを仕上げたか?
上田裕美アルマーニ グローバル メイクアップ アーティスト(以下、上田):コレクションの2週間程前に、デザイナーであるジョルジオ・アルマーニと彼のチームから一枚のレファレンスの写真が届いた。それに基づき、さまざまなリクエストに対応できるよう、多様なメイクデザインやカラーレファレンスの写真を集め、それらをムードボードにまとめ、5つの異なるバリエーションをスケッチし、最終的にプレゼンテーションブックに落とし込んだ。ショーの数日前にコレクションを初めて確認し、その後、最終的に数人のモデルにメイクを施しどのルックがベストかを決定した。今回のクチュールコレクションはとても表現豊かなので、よりぜいたくなメイクを試すことができた。コレクションの色を取り入れたペインティング風のアイメイクは、1920年代からのインスピレーションを取り入れている。 肌は自然なままに保ちつつ、メイクは服の華やかさを引き立てている。さまざまなテクスチャーを組み合わせることで、ランウェイ上で光と影を演出した。