齋藤彰俊が34年のリング人生に幕「方舟に乗りし人生、我が心、夜空に輝く月に一点の雲なし」
「俺がリングをおりるその時まではプロレスラーだ。だから見栄を切らしてくれ。倒れず、疲れないのがプロレスラーだ!」
プロレスリング・ノアが11月17日、愛知県・ドルフィンズアリーナで開催した「齋藤彰俊引退記念大会」で、齋藤彰俊がプロレスラーとして最後の試合を戦った。丸藤正道を相手に挑んだ一戦は、齋藤の闘志が燃え上がる中、15分9秒でランニング・エルボーに沈んだ。 【動画】齋藤彰俊、プロレスラー最後の瞬間 試合前、齋藤は故・三沢光晴のガウンを携え、ファンの寄せ書きが書かれた旗を手に入場。その姿に、会場からは温かい声援が送られた。 試合はチョップやエルボーが飛び交う激しい打撃戦となり、齋藤は得意技を繰り出して丸藤に食い下がった。 終盤には「立て!」と叫びながら果敢に攻めたが、丸藤のエメラルドフロウジョンで万事休す。 しかしこれを何とかカウント2で返すと、あの時のバックドロップを放つ。これを丸藤はすぐさま立ち上がり一連のエルボー攻撃の前に齋藤はついに力尽きた。 試合後、リング上で丸藤と握手を交わし、引退セレモニーでは家族とともに記念撮影が行われ、ファンや関係者への感謝の言葉が続いた。 「今日は名古屋にお越しくださって本当に有難うございます。プロレスリング・ノア、スタッフのみなさん、選手、それから俺の宝である皆、ファンの皆よ、本当に有難う。TEAM NOAHも本当に有難う」と感謝を伝えた齋藤。 続けて「それからあの方、俺の師匠、それから殴りこみをかけた時に闘っていただいた大先輩、それから空手の師匠、そして青い目の仲間、本当に有難うございます。」と感謝を述べると、「俺がリングをおりるその時まではプロレスラーだ。だから見栄を切らしてくれ。倒れず、疲れないのがプロレスラーだ!」と語り、プロレスラーとしての生き様を見せた。 最後は「方舟に乗りし人生、我が心、夜空に輝く月に一点の雲なし」と語り、天を指さしながらリングを去る姿に、多くの観客が拍手で送り出した。 『齋藤彰俊引退記念大会 Deathtiny』 日程:2024年11月17日(日)開始15:00 開場14:00 会場:愛知・ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館) 観衆:1,788人 ■試合後バックステージコメント 【丸藤】 ――齋藤選手の引退試合を終えた今の率直な気持ちは? 丸藤「試合をしてても、やっぱり最後まで齋藤彰俊だったし。試合自体はああやって全然できると思うんですよ。でも、あの人の中に何か決意したものがあったから、今日という日を迎えたんだと思うんで。だけど、引退を決めた人間に俺も負けるわけにはいかないし。まあ、齋藤さんはああやって一ファンになるみたいなことを言っているけど、あなたは一生NOAHのファミリーですよ。そう簡単に降りれると思うなよ、齋藤彰俊」 ――最後のローリングエルボーからのエルボーにはどんな思いを込めた? 丸藤「やっぱりあの人の中にも、俺の中にも、そして俺が会見で言ったように、今日は三沢&丸藤対齋藤彰俊。途中でバイソンも見えたような気がするよ。だから、最後はあの技。俺は普段絶対使わないし。でも、プロレスって人生だから。最後使わせてもらいました」 ――緑色のリストバンドを付けていたが? 丸藤「一緒に戦いましたよ。もうそういう言葉を発することもないんじゃないですかね。また何かの節目で。齋藤彰俊、今日は俺の完勝だ。ありがとうございました」 【齋藤】「皆さん、本当に長い間ありがとうございました。最後、対角線の丸藤選手の顔を見て、ちょっとこらえるのが必死でしたけども、でもやっぱりリングを降りるその時までプロレスラーって言ったんで、最後まで顔を崩さないようにしようかなって思いましたけどね。リング上で言った通り、もちろん天におられるあの方、それから空手の師匠もね。それから新日本で戦った先輩も。家族も、それから俺の宝であるファンもね、本当に感謝です。俺は今日からプロレスファン、NOAHのファンになるけども、一緒にこのプロレスという素晴らしいものを応援できたらと思います。皆さん大変な時にお集まりくださってありがとうございます。今からGHC始まりますよね。皆さん最高なGHCを見てください。俺も一ファンとして応援するんでね。とにかく皆さん本当にありがとうございました。齋藤彰俊は幸せでした。ありがとうございました。GHCやるんで、皆さん見てください。自分はこれからどんな形であれとにかく、小説もありの、NOAHのために頑張っていきます。ありがとうございました。今日、三沢社長のガウンを持って入場しました。最後、天にあいさつした時に、たぶん何となく空耳かなんかわからないかもしれないですけど、これだけ長い間よく頑張ったって、何となく耳にきこえました。ありがとうございました」 <写真提供:プロレスリング・ノア>
プロレスTODAY