ルポ「疑惑の漁場」大間・マグロ不正事件
青森県大間港で水揚げされたクロマグロ。徹底した資源管理のルール確立が求められる(本文とは直接関係ありません)
暗闇に覆われた青森県下北半島東部のある漁港。午前0時32分、沖合から緑色と赤色の小さな明かり「航海灯」だけをつけた漁船がエンジン音を響かせて近づいてきた。漁船に合図を送るように岸壁のトラックが一瞬だけライトをつけた。保冷車とみられるそのトラックは1時間ほど前から待機。船はトラックの荷台扉部分にぴったりと位置を合わせて着岸した。「無報告マグロを夜に水揚げしている港がある」。東奥日報に寄せられた情報。2021年11月上旬、本紙取材班は青森県大間町外の港で、男性3人がかりで大きなマグロをトラックに積み込む場面に遭遇した。3人は漁船に備え付けられた引き上げ用ウインチで大きな魚体をつり上げ、手際よく荷台に積み入れた。少なくとも5匹。作業は20分程度。トラックは走り去り、漁船もすぐに港を離れた。かすかに読み取れた船名を基に後日、その船の関係者に大間町内で写真を示すと…
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