伊藤沙莉

　辛口コラムニスト・林操氏による今年のドラマ・ワースト編だ。同時に、ベスト1の選考理由も明らかに。ここまでたどり着いたあなたは、素晴らしい。【前中後編の後編】 【写真をみる】「髪長いと“虎に翼”の時とは別人みたい…！」　“男装の麗人”よね役・土居志央梨さんの可愛すぎる素顔 　***

アナウンサー:というわけで2024年民放連ドラ総まくり、謎を孕んだまま後半戦、ワースト3の発表へと入ります。林さん、お願いします！　 林:了解。まずワースト第3位は……リストをアナ:タに読んでもらおうかな。 アナ::わかりました。 ▼「婚活1000本ノック」【フジテレビ系/水曜22時/1月期】 ▼「EYE LOVE YOU」【TBS系/火曜22時/1月期】 ▼「Destiny」【テレビ朝日系/火曜21時/4月期】 ▼「ミス・ターゲット」【テレ朝系・ABCテレビ制作/日曜22時/4月期】 ▼「マウンテンドクター」【フジ系・カンテレ制作/月曜22時/7月期】 ▼「ギークス～警察署の変人たち～」【フジ系/木曜22時/7月期】 ▼「GO HOME～警視庁身元不明人相談室～」【日テレ系/土曜21時/7月期】 ▼「D＆D～医者と刑事の捜査線～」【テレビ東京系/金曜21時/10月期】 　……の8本ですね。これは……ワースト3位に括られた共通項がすぐには思いあたりません。 林:そう？　今、タイトルの一覧を見て、読んでみて、聞いてみて、何か感じなかった？　 アナ::……あ、ひょっとしてこの8本はどれも、林さんの言う「絶対駄目感」の働いた作品ですか？　タイトルを見聞きしただけで駄目とわかるという？　 林:やっぱりピンときたか。言葉のプロであるアナ:タが、これだけの数、臭う題名をまとめて眼にして口にして耳にしてみれば、感じるよね。

駄目タイトルにも佳作あり

アナ::ありふれていたり（Destiny）、陳腐だったり（ミス・ターゲット）、文法の間違いが気になったり（EYE LOVE YOU）、冗談として滑っていたり（婚活1000本ノック）、説明的でありすぎたり（その他すべて）……。見てみようという気が起きにくいタイトルなのは確かです。 林:で、実際の内容もタイトルの駄目さ加減と連動してました。イイ大人が額を寄せ集めて鳩首協議して決めたタイトルがコレかよ……と思わせるドラマって、タイトル以外にもいろいろアレなことが多いからね。 アナ::いや、本当にそういう傾向、ありますね。 林:で、今回の8本は、まずタイトルでワタシの絶対駄目感に働きかけてきただけじゃなく、そのうえで実際にコケた、あるいは期待ほど当たらなかったというドラマです。こういうの、第1話を見るための心理的なハードルが高いんだよね。昔は予感が当たると嬉しかったけど、今は「あぁ、また“連ドラ滅亡時計”が1分進んだ……」と悲しくなる。 アナ::わかります。 林:もちろん、こりゃ駄目そうだなと思わせるタイトルなのに予感を裏切ってくれる物件というのもちゃんとあって、2024年は、 ▼「さよならマエストロ～父と私のアパッシオナート～」【TBS系/日曜21時/1月期】 ▼「全領域異常解決室」【フジ系/水曜22時/10月期】 　……の2本がそれでした。