益子直美「45歳で不妊治療に終止符」都内から湘南への転居、心臓の病気を経て
── 3年間の不妊治療を経て、45歳で卒業されました。不妊治療では、「やめどき」に悩む女性が多いです。すんなりと踏んぎりをつけることができたのでしょうか? 益子さん:もともと45歳の誕生日で不妊治療を卒業しようと、夫婦でタイムリミットを決めていたんです。体温計やグラフ、ホルモン療法の薬などをすべて処分し、「この先の人生は、2人で楽しく生きていこうね」と、不妊治療を卒業しました。 とはいえ、「まだ生理があるうちは…」と、なかなか諦めきれない自分もいて。「夫に隠れてこっそり病院に行っちゃおうかな」と思ったり。気持ちを切り替えられたのは、いま住んでいる湘南の家と運命的な出会いをしたのがきっかけでした。
■引っ越しで「悶々とした気持ちをリセットできた」 ── どういう出会いだったのでしょう? 益子さん:湘南で不動産業を営んでいる友人夫婦のところに遊びに来たとき、「せっかくだから物件でも見ていく?」と軽い感じで誘われて。そこで見学した家にひと目ぼれし、「ああ、ここに住みたい!」と直感的に思ったんです。 ── そうなのですね。どのあたりが気に入ったのですか? 益子さん:築年数が約20年の古い家でしたが、お庭が広くて、桜や柿、みかんに梅、プラムなど、いろんな木や植物が生えていて、「ここで過ごす時間は素敵だろうな」と心が癒されました。
それに、このまま東京にいたら、また病院に行きたくなって、悶々としてしまいそうだったんです。これまでの暮らしをリセットし、新たなスタートをきりたいという思いもありました。 夫に「この家、買ってもいいかな?」と了解をとり、ほぼ即決で購入。その後すぐ、湘南に引っ越しました。いまでは、地元にお友だちもたくさんできました。庭いじりを楽しんだり、家のDIYをしたり、夫婦で自転車に乗ったりと、湘南の暮らしを満喫しています。
いろいろなことがありましたが、結局、自分にとって本当に大切なものだけが残ったという気がしています。あの時、思いきって環境を変える決断をしてよかったなと思っています。 ── とても仲のいいお二人ですが、夫婦円満の秘訣はなんでしょう? 益子さん:夫婦はもともと他人同士ですから100%分かり合うのは不可能だと思っていますし、歳がひと回り離れているので、ジェネレーションギャップを感じることも。 ただ、だからこそ、わかりあうために、たくさん会話をしてコミュニケーションをとることが大事かなと。