米上院銀行委員長を落選させるために17億円投入、暗号資産利益団体がテレビ広告枠を確保
暗号資産(仮想通貨)の利益団体は、過去最大規模のキャンペーンを計画している。1200万ドル(約17.6億円、1ドル=147円換算)を用意し、共和党の候補を支援することで、これまで暗号資産分野に批判的で暗号資産法制の受け入れに消極的だった米上院銀行委員会の現委員長シェロッド・ブラウン(Sherrod Brown)上院議員(民主党、オハイオ州)から上院の議席を奪おうとしている。 フェアシェイク(Fairshake)政治活動委員会(PAC)とその関連団体は現地時間8月13日、オハイオ州と他の2つの重要な州であるアリゾナ州とミシガン州においてテレビ広告枠を確保していると発表した。ブロックチェーン関連の実業家である共和党候補のバーニー・モレノ(Bernie Moreno)氏を支援するために、オハイオ州では1200万ドル(約17.6億円)の広告枠を確保し、アリゾナ州の上院選ではルーベン・ガレゴ(Ruben Gallego)下院議員(アリゾナ州選出)、ミシガン州の上院選ではエリサ・スロットキン(Elisa Slotkin)下院議員(ミシガン州選出)に、それぞれ約300万ドル(約4.4億円)を投入する。 「私たちの使命は明確だ。イノベーションを受け入れ、アメリカの雇用を守りたいと考え、物事を成し遂げるために党派を超えて尽力する候補者を支援し、そうでない候補者には反対する」とフェアシェイクの広報担当、ジョシュ・ブラスト(Josh Vlasto)氏は声明で述べた。同グループは「持続可能な超党派連合と、責任ある暗号資産およびブロックチェーンについての規制を可決することが急務であるという合意形成」を目指している。
過去にも1000万ドルを投入
上院選での支援は、フェアシェイクが11月の選挙では18人の下院議員を支援するとした最近の発表に続くものだ。これまでのところ、全員が現職議員であり、在職中に親暗号資産であった実績を持つ。 同グループはすでに予備選で数十の選挙に関与しているが、広告では若干の例外を除いて、候補者の暗号資産に対する立場には言及していない。 フェアシェイクとその関連PAC(民主党寄りの「プロテクト・プログレス」と共和党寄りの「ディフェンド・アメリカン・ジョブズ」)は、特に暗号資産ユーザーをターゲットにしたデジタル広告についてもリソースを割く、と述べている。 暗号資産業界のPACは、2024年の選挙において、金額ベースでは他の主要な業界や政党の内部資金に匹敵する規模を誇っている。フェアシェイクはこれまで議会選に重点を置き、大統領選には関与せず、党派を超えて慎重に支持すべき候補者を選んできた。ケイティ・ポーター(Katie Porter)下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)の上院選出馬を阻止するために費やした1000万ドル(14.7億円)が、過去にフェアシェイクが1つの議席に対して投じた最高額となる。 |翻訳・編集:T.Minamoto|画像:Shutterstock|原文:Crypto Industry Committing $12M to Dethrone Sen. Brown in Ohio, PAC Says
CoinDesk Japan 編集部