9・8名古屋でUNIVERSAL王座に挑む阿部史典が意気込み!「MAO選手が持ってるから、ベルトが欲しいなって!」
“こんなこと感じたことない”みたいな気持ちにはなってもらいたい
――阿部選手から名乗りを挙げたわけじゃないですけど、タイトル戦が決まってから気持ちは高まってきましたか? 「ハイ。頑張ろうと思いますし、MAO選手にたぶん、僕のことを“面白い”って思われたわけじゃないですか。だからその上を行ってやりたいと思います! 僕は彼が経験してないことをいっぱい経験してるし。彼は所属の選手だけど、僕は体一つで自分ですべてやってるし、そういう生き抜く力は確実にある。もちろんMAO選手が凄い選手だからこそ、そういう人たちにギャフンと言わせたいです」 ――タイトル戦がデビューした会場で感じるところはありますか? 「ありがたいことに、よく試合やってますからね。今は名古屋国際会議場イベントホールでタイトルマッチって言っても、そんなにかもしれません。ただ、名古屋という自分がデビューした土地で試合ができることに、もちろん喜びはいつまでもあります。でも、それよりもMAO選手とタイトルマッチをやることへの思いが強いですかね」 ――やる以上はベルトを獲りたいですよね? 「やる以上、絶対勝ちますよ」 ――ベルトを獲ったら、MAO選手とは違う防衛ロードを歩みたい? 「EXTREMEじゃないけど、バトラーツルールとかやってもいいんですかね? (野村との)アストロノーツを広めたいし、アストロノーツを広めたいということは、格闘探偵団を広めたい。バトラーツって、こんな面白いヤツがあるんだぞって。ベルト獲ったら、たとえば、葛西(純)さんはデスマッチファイターなわけじゃないですか。その葛西さんの相手は、葛西さんにそういうルールで挑みたいわけじゃないですか。だったら自分はそれがバトラーツルールだと思ってるんで。それでやってみたいですね。相手の土俵で戦いたいわけじゃないですか? ベルト獲ったら発言権ありますから、獲りたいです。DDTなら、それが面白ければ自由を重んじてくれると思うから」 ――ベルトを獲れば、DDTへの参戦回数もおそらく増えるでしょうね… 「勢いがある団体ですからね。もしベルト獲ったら、次はKO-Dタッグとかも狙いたいし、そういうのをやりたいですかね。世代の近い人が多いので、戦ってみたい人はたくさんいます」 ーータッグとなると、やはりパートナーは野村選手ですか? 「そうですね。所属団体はないですけど、そこが自分にとっての家なので、そこを広めたい。2人でどこまで行けるのか試したい。でも、なによりはまずはUNIVERSALですよね。MAO選手の一番素敵なところは自分自身にプライド持ってるところだと思います。たとえば飯伏(幸太)さんが来て、いろいろ言われてる。僕でさえ耳に入ってくる。俺らが支えてきて、すぐそんな許さねぇぞみたいな。アレルギーを起こしてるんですよね。そういうのはむちゃくちゃ推せるし、そう来てくれなきゃと思うし、僕もそう思います。自分が面白いって思わなきゃいけないし、そういう人と2人きりでリングで会話ができるのは凄い楽しみだし、刺激になりますね。僕ら世代でそういう人って、そんなにたくさんいない気がします」 ――全日本のGAORA TV王座を持っていて、UNIVERSALを獲れば、団体を股にかけて2冠王になりますが、そこへの意識は? 「確かにそうですね。ただ意外と別物と考えるんです。僕は世界観の強い団体、自分たちの島で発展させてるようなところでは…全日本とDDTって、自分たちでやってる団体2つだと思うんです。そこにその話はもっていかないというか。UNIVERSALとインディーだったらもっててもいいですけど。別で考えたい。MAO選手はMAO選手、GAORAはGAORAで考えてます」 ――MAO選手がX(旧Twitter)で、「願ったり叶ったり。こんな相手を待ってた!もっと言えば、阿部史典とサシで当たる日は、いつか絶対来ると思って待ってた!」と発言していますが、それに対しては? 「光栄でしたし、自分もいつか戦うだろうなと思ってました。だってギラギラしてるじゃないですか。同じ気持ちです。あまり知らないんで、深いところは分からないんで。そういうイメージをもってますし、凄い面白いんだろうなと思うし、自分の考えをもった人って魅力的です。半面、同じようなことを思ってくれてるのはうれしい。だからこそ驚かせたいし、コイツ、“こんなこと感じたことない”みたいな気持ちにはなってもらいたいです。逆も。こんなことって?という気持ちになるのも楽しみです」 ――ほとんど対戦してないからこそ、楽しみですか? 「日本語をしゃべれる外国人と戦うような気持ちです。外国の団体でいきなりタイトル戦が組まれたような感覚です」 ――ほとんど情報のない選手と戦うにはセンスが必要ですか? 「僕はふだんからそれをやってるんで。Xとか映像でちょろっと見るとかはありますけど。初めましてみたいな人と戦うのはふだんからやってるんで、そういうのは僕は特化してると思います。だから自己完結できるものが多いかもしれないです」 ――タイトル戦前日の7日(大阪・サンスクエア堺・多目的ホール)には、唯一の前哨戦(MAO&勝俣vs阿部&アントーニオ本多)もありますが… 「前日に前哨戦あるんですけど、ないようなもんでしょ。特に考えずにやろうかなと思ってます。そういう選手だと思うし、目の前に出てくる選手を楽しみたい。あまり下調べしたくないです。アントンさんとか勝俣選手も楽しみつつ、タイトルマッチは全然違いますから。その試合はあいさつみたいな感じですね」 ――最後に10・23新宿での自主興行に向けた意気込みがあれば、お願いします 「メインは阿部&石川雄規vs野村&村上和成です。僕や野村は、石川さんと村上さんの絡みが大好きなんですけど、今のお客さんの反応が微妙かもしれないです。でも逆に知らないからいいのかなと。フレッシュで動ける人には出せない味や色気が絶対にあります。僕たちは出したくても、それは出せないものなので、もの凄く憧れるし見惚れてしまいます。キャリアも重ねれば、どうしようもないことがたくさん出てくるわけで、そんななかで出るリアルさが面白い。そういう人たちと戦うと、こちらもいつものようにはできない。でも、形が崩れてる方が凄く心を動かされるときもある。きれいじゃないものが、とてつもなくきれいに見えるというか。自分が好きなものって本道ではないんだと思います。そういうのって本道のメインストーリーであってはいけないような気がするので。自分たちのやりたいものを全部ひけらかせるのが自分と野村の格闘探偵団。こんな面白いもんがあるんだぞって、今の令和のプロレスの時代に広めたいですね。 少なくとも我々がこんな面白いものを知ってるんだから、体現できるよう練習も試合もしてるんで、だったらそれを広めたい。今のファンはコイツら面白いなって、見たことないって思うと思うんです。今のプロレスではなかなかないんで。だから一周回って面白いと思ってます。いろんな団体に出ていて、ふだんからそういうのを求められるわけじゃなくて、求められてることとやりたいことは違うんで。だから自分たちでやっています。ふだんはそれをプロレスに落とし込んで、いかにニュアンス、エッセンスを入れるかでオリジナルを作り出してやってるつもりです。もちろんどっちも同じ熱量でやっていますよ」 <写真提供:DDTプロレス>
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