なぜ初球にバスターのサイン?阪神の奇跡Vが遠のく首位攻防戦ドローに見えた矢野監督と高津監督の采配力の違い
高代氏が言う。 「優勝が遠のく引き分けとなった。だが、可能性が消えたわけではなく、その後にCSの戦いもある。最後まであきらめるべきではない。課題は打線。打順をもう一度考え直すべきだろう。4番のマルテの状態もよくはない。9回一死二塁でカウント3-1から見送ればボールの外角の変化球を振った。今までのマルテならバットが止まっているボール。その状態のマルテが4番では得点力は上がらない。得てしてこういう投手戦は1本の本塁打で決まるもの。やはり一発のある佐藤、大山を打線に揃えたいし、近本、中野の1、2番を崩すべきではないと思う」 この2試合で1番・島田、3番・近本の打線を組み、初戦は機能して11点を奪ったが、2戦目は高橋の出来の良さも手伝い空回りした。初戦で外された大山はスタメン復帰したが、怪物ルーキー佐藤はベンチスタートで代打出場の機会もなかった。 残り4試合は、もう負けられない試合ではなく、すべて勝たねばならない試合に切り替わった。だが、奇跡の逆転Vの可能性はゼロではない。4試合全勝でいけば勝率は.590となり、残り6試合のヤクルトが2勝4敗と足踏みすれば勝率.584となり逆転する。そのためには、ラストスパートに点火する勢いがチームに必要となる。 矢野監督は、試合後に、こんな決意を口にした。 「どんな形でもいいんで勝ちたかった。正直なところ引き分け(という結果)は変えられない。残り試合で、この引き分けがあったから優勝できたな、ということに変えられるチャンスは、まだ残っている。残り試合で自分たちで(優勝を)引き寄せるように全力で戦っていく」 今日21日の中日戦は、“投手4冠“を狙う柳が立ちはだかる。阪神は左腕の高橋が先発で投手戦は必至。矢野監督が頭を悩ませる打線の奮起がカギを握るだろう。 一方のヤクルトは神宮で広島戦。阪神が中日に敗れてヤクルトが勝てばマジック「1」となり、ヤクルトが22日の広島戦に勝てば優勝が決まることになる。 (文責・論スポ/スポーツタイムズ通信社)