ホームセンターで呆然…強盗対策で何を揃えるべきかわからない人がまずやるべきこと
今年は強盗事件が頻発した。それに伴い「我が家も対策を練らねば」「親が住む実家の防犯は心配」という声は少なくない。ホームセンターにも防犯アイテムコーナーが作られ、防犯カメラや人感センサーライト、防犯フィルムなどが並ぶが、実際に売り場に行ってみると、自分の家の環境に何が合うのか、どのアイテムがどれだけ効力があるのかさっぱりわからず購入できなかったという声も多い。 【画像】多発する強盗事件…今どきの防犯に大切なポイント お正月休み、実家で親と防犯について話す人もいるだろう。減ることがない犯罪にどんな準備をすればいいのか、前編に引き続き、セコムの古山絵利加さんにお話を伺った。
簡単に家に侵入させない工夫を
前編では、犯罪の種類が変わってきているので、従来の対策では役に立たない可能性があることをお伝えし、今すぐにでも実践できる3つのことをあげてもらった。後編では、具体的に何をするべきかを考えていく。 (1)犯人が家に侵入するまでの時間を稼ぐこと (2)事前に逃げ道を確保しておくこと。万が一、犯人と鉢合わせをしたら、その時は抵抗しないこと (3)自分の情報を必要以上に外に出さないこと 「(1)は、まず犯人がすぐには家に入ってこられないように工夫をしておくということです。大きなお金をかけずにできる対策としては、ドアをツーロックにするといいでしょう。それだけでも普通よりは侵入に時間がかかるので、逃げるなど安全を確保する時間を作ることができます。窓には金属製の板のような補助錠をつけるだけでも、つっかかって開きにくくなります。ドアや窓がすんなり開かない、というだけでも犯人の焦りにつながります」(古山さん) 窓用の補助錠は色んなタイプがあり、開けようとする振動で警告音が鳴るものもある。まずはこういったものから準備するといいと言う。ホームセンター、インターネットなどでも購入可能だ。
強引に侵入する犯罪には、「逃げる」が大事
侵入を面倒にするというのは、従来にもあった防犯対策だが、(2)は従来の対策とは大きく異なる。 「(2)は、逃げ道の確保、です。今問題になっている強盗事件は人がいても入ってきて傷つけ、金品やカードなどを奪い取ろうとするケースも多い。やはり自分の身を守ることを第一に考えていただきたいので、例えば、“犯人が玄関から入ってきたら、どこから外に逃げることができるか”を日頃から考えておくといいでしょう。裏の勝手口から逃げる、とか、リビングの窓から庭に出て外に向かう、とか、いくつかのパターンをシミュレートしておくといいと思います。 すぐに外に出るのが難しそうな場合は、“簡易パニックルーム(身を守るための緊急避難用の空間)”とでもいいますか、鍵がかけられて、できれば扉が内開きで、警察などが来るまでに少し時間稼ぎができるような部屋を決めておくといいでしょう。 その際、重要なのはスマホを持って逃げるということ。警察や助けを呼ぶためにスマホは重要なツールになります。ですから、寝るときにはスマホを近くに、緊急の際に手に取れる位置に置くのがいいと思います。就寝中に何か物音がするなと思ったら、恐れず警察に通報する。セコムのホームセキュリティがあるお宅の場合は、持ち運び可能な非常ボタンがありますので、枕元などに置いておき、心配な時はそれを押していただくと、警備員が駆けつけます。いくつかの事件で、物音を聞いた近所の住民が家にやってきたので、犯人が途中で逃げ出したということもありました。すぐに誰かが駆けつける、ということも、犯行を途中で辞めさせて被害の拡大を防ぐという意味から、意義があるのではないかと考えます」(古山さん) しかし、実際には犯人と鉢合わせしてしまう可能性もないとは言い切れない。従来のケースでは、人がいると逃げてしまうケースもあったが、今問題となっている強盗事件では、ひるまず襲ってくることもある。 「万が一、犯人と鉢合わせをした場合は、抵抗せず、財布などにお金があれば素直に渡すことも考えなくてはならないかもしれません。やはり命あってこそ、ですので……。ただ、多額の金品を家においておくのは危険なので、避けたほうがいいでしょう」(古山さん) 高齢者はキャッシュレスに慣れていなくて、さらにたびたび銀行に行くのが面倒ということで、現金を自宅にストックしてしまう。しかも、鉢合わせしても抵抗できない、ということからターゲットにされやすい。年末年始に親に会った際には、そういった問題も伝えて、お金の管理を見直すことも必要かもしれない。