懐かしの店舗もみられる「ダイエー写真集」 担当者に聞く写真を公開した理由とは?
ほとんどがフィルム写真、約500店の資料をスキャナーで取り込み
ダイエーの創業は1957年に「主婦の店ダイエー」を大阪市旭区の千林駅前商店街に1号店を開店したのが始まりで、その後、全国各地に店舗を構えていった。 1990年代後半に業績の悪化が表面化。2015年にはイオンの完全子会社となると、多くの店舗が閉店、または「イオン」に名前を変えるなどした。
こうした歴史を持つダイエーだが、これまでに閉店した店も含め、約500店を超える膨大な資料写真はほとんどがフィルムだ。 さらに1店につき多数の写真が保管されており、大野さんら担当者はその中から選んだものをスキャナーで取り込み、ホームページに掲載するなど、手間ひまがかかる作業を行うこととなった。
アクセス数が伸び、ユーザーから店の間違えを教えてもらい修正したケースも
資料が混在しているケースもあったようで「すべてがネガフィルム、ポジフィルムの紙焼きで、実はホームページに掲載してから『この店舗はA店じゃなく、B店ですよ』といったご指摘をいただいて掲載しなおしたものもあります」と大野さんは苦笑する。 だが、それは言い換えれば反響の裏返し。ホームページリニューアル後には、アクセス数も右肩あがりになり、ホームページをみて電話などの問い合わせも増えているという。 また、ダイエー写真集ではダイエーの社歌も聴けるよう設定。現在もダイエーに勤めている人、かつて勤めていた人などからの反響も大きいそうだ。
ホームページをみてか「資料館の見学をしたい」という反響も
実はホームページを担当する大野さんは同大学OBでダイエー店舗での勤務経験もある。今回の写真集制作にも様々な思いを胸に取り組んでおり、反響があるごとにやり甲斐を感じている。 「ホームページのアクセス数もそうなんですが、この写真集の影響か、このダイエー資料館を見学したいという連絡も多いです」と大野さん。この取材を行った6月下旬の週には、ほぼ毎日見学者が来ているほどの反響ぶりだそうだ。
資料館は1年生の必修授業用の施設も入館料なしで一般見学の受付
津田さんによると、元々このダイエー資料館は「流通革命の旗手」と評された中内ダイエーの歴史を振り返り「流通とは何か」を考えることができる施設としてつくられ、同大学1年生の必修授業で使用されており、一般見学のために作られたものではないという。 しかし、予約の上で一般の見学を受け付けており、入館料などはとっていない。