泉北高速鉄道15年ぶりの新型通勤車両「9300系」を公開 「らしさ」は残しつつ、快適で使いやすく
泉北高速鉄道は30日、新型通勤車両「9300系」を報道陣に公開しました。8月上旬から営業運転を開始する予定です。 【動画】泉北高速鉄道15年ぶりの新型通勤車両「9300系」を公開 運転席や車内の様子も
従来の3000系よりも消費電力を半減
9300系の導入理由は、老朽化が進む3000系を代替するため。設計は南海電鉄の8300系をベースにして投資額を抑えつつ、外装および内装では独自性を追求しています。
このうち、外装では車両先頭部や側面部、内装では一般・優先座席で従来車両と同系色の色を採用するなど「泉北高速鉄道らしさ」を表現。加えて、車内には車いす・ベビーカー用のスペースや、スーツケースなどを置ける多目的スペースを用意するとともに、日本語・英語・中国語・韓国語の計4か国語に対応した車内案内表示器を設置するなど、幅広い層の乗客にとって快適で使いやすい車両の実現を目指しています。 また、LED照明やエネルギー効率の高い機器の採用により、3000系よりも消費電力を半減。環境負荷の低減化も図っています。
15年ぶりの新型通勤車両
同社としては、15年ぶりの新型通勤車両の導入となるそうです。囲み取材で9300系の出来栄えを問われて、「いい車両ですよ」と笑顔を見せた同社鉄道事業本部技術部の山田健太郎・車両課長。 「多目的スペースについては、最近増えてきたインバウンドのお客様に大きなスーツケースを置いてもらうことなどを想定しています」と語るとともに、「沿線の街は住みやすいので、住民として毎日この電車を利用してほしい」と呼びかけていました。
9300系について、同社は当面2編成(1編成あたり4両)分を導入しますが、ゆくゆくは現在24両ある3000系をすべて代替する見込みです。 (取材・文:具志堅浩二)