「家計簿」やめました!理系夫と編み出した「銀行口座の残高」を指標に、夫婦で共有する家計管理術
物価高騰が家計を直撃しています。「家計を見直したいけど、家計簿が続かない」と悩む人も多いのではないでしょうか。そんなあなたと一緒に、専門家や家計管理の達人から「家計管理テクニック」を学ぶ連載【私でもできる!節約のくふう】。 【画像13枚】理系夫さんの得意分野!数字を「可視化」したグラフや一覧表を写真で見る。目標とするクルーズ旅行の資料をリビングに飾ってモチベアップに 第3回は、夫婦で家計を“共有”しながら見直していくプロセスを描いたコミックエッセイ『お金の不安すっきり解消! 理系夫の家計大作戦』の著者、くぼこまきさんにインタビューを実施しました。 家計の管理といえば、夫婦のどちらかが主に担当するか、個別に管理というケースが多いと思いますが、くぼさんの家庭では「夫婦はワンチーム」という考え方のもと、互いの収入・支出をオープンにして2人で家計管理をしています。しかもなんと、2人とも家計簿をつけていないそう! 一体、どのように家計を管理しているのでしょうか。 今回は、コミックエッセイのもう1人の主役である、くぼさんの配偶者・通称“理系夫”さんにもご登場いただき、くぼ家の家計術や夫婦で協力しながら家計管理を行うコツについてうかがいました!
「家計は妻が管理するもの」から「2人で協力する家計管理」へ
現在、中学生のお子さんを育てているくぼこまきさん夫婦。新婚当時のくぼさんは、「主婦なんだから、自分が家計管理をしなければならないと気負っていた」と振り返ります。 主婦雑誌の付録の家計簿、レシート貼るだけノート、費目ごとの封筒を作って予算を入れておく“袋分け”……。評判の家計管理術をあれこれ試してみましたが、いつも長続きせずに挫折ばかり。 くぼこまきさん(以下、くぼ)「“袋分け”管理では、日用品費と食費をどちらの袋から出したらいいのか迷ったり、足りなくなって袋同士で“借金”をし合ったりして、目先の管理に追われていました。しまいには、封筒が破れて小銭が飛び出したので挫折しました(笑)」 家計管理に右往左往するくぼさんを静かに見守っていた理系夫さんは、さりげなく提案をしました。それが、「夫婦で通帳や給与明細を共有して、いわゆる“家計簿”とは違う形で家計を管理する」という方法。 家計簿の目的は、家計管理のため。そして、家計管理の目的は、家にあるお金がどのくらい増えているか(減っているか)を把握するため。同じ目的を達成できるなら、方法にこだわらなくていいのでは……というのが、理系夫さんの考えでした。 くぼ「私の実家の両親はお金の話をしてギスギスしていたので、お金の突っ込んだ話は“よくないこと”と思いこんでいました。だから、結婚当初、夫が自分の通帳を全部出して見せてきたときにびっくりしたんですよ。“もしかして、私にも全部見せろって言ってる!?“と、深読みしてしまったほど。 でも、夫の実家にいったら、腑に落ちました。家族や親戚の間でお金の話題をものすごくオープンにしていたのです。 “お祝いは、現金がいいわよねー”なんて言葉が自然に飛び交っていて。いい意味でびっくりしました」 お金に対してオープンで合理的な理系夫さんの影響で「自分が家計管理をしなければ」という気負いが解きほぐされていきました。 その後は「夫婦のどちらかが財布の紐を握る」でも「夫婦で個別管理」でもなく、互いの収入・支出を全てオープンにして夫婦で協力してお金を管理する方法が家庭に定着していきました。 ♦️家計簿の代わりに実施した「銀行口座チェック」 夫婦で家計を管理しているくぼ家の家計管理方法は、少しずつやり方を変えながらも基本的なポイントは変わりません。ポイントは、トータルのお金の推移を見ること。 例えば生活費。 1年の初めに、収入が振り込まれる口座をキリのよい残高に設定して、それ以外の残高を別の口座に移します。仮に100万円に設定した場合、毎月口座を確認したときに100万円との差額で増えているか減っているか一目でわかります。 くぼ「1年間を通じて新年度、新学期などまとまったお金が出ていく時期もあるので、無理して月の予算を立てずに、年間を通じて黒字の状態を目指します」 過去に家計簿の記録で疲弊した経験を経て定着した方法です。 くぼ「当初は生活費用の銀行口座でチェックをしていましたが、最近では家計簿アプリ『Money Forward』を活用しています。夫婦で互いの銀行残高、資産を全部把握できるようになっており、家のお金がいくら増えたか、いくら減ったかすぐにわかるので便利です」