「家計簿」やめました!理系夫と編み出した「銀行口座の残高」を指標に、夫婦で共有する家計管理術
家計だけでなく、「ライフプランそのもの」を共有する!
くぼさん夫婦の家計管理のポイントは、日々の支出を細かく管理するのではなく、“トータルで見る”こと。さらに、中長期の視点を夫婦で共有してから、支出先を決めています。 会社のやり方に例えるなら、まず“ミッション”を定め、“戦略”に落とし込むスタイルです。くぼさん夫婦の“ミッション”は「家族が安心してやりたいことができる人生になること」。そのために、2人で短期、中長期の支出・収入を展望する時間を持つのが習慣となっています。 今後の人生で安心な家計を維持するために行っていることが、“人生シート”の作成です。まず家族それぞれの欄に、各年齢で想定されるライフイベントを書き込みます。そして、それにいくらかかる、ここまでにいくら貯金する……といったマネープランを書き込んでいきます。 リビングルームで2人で楽しく“ブレインストーミング会議”をしながら人生シートを練るのがくぼ家の定番。時にはこんなことも話し合います。 ・収入が下がった場合はどうする? ・一方が働くことができなくなったら? ・子どもの進学先は?教育期間が長くなったら?留学を希望したら? ・退職後、年金が出るまでの空白期間はどうする?…etc こうした話し合いを通じて見えてくるのが、タイミングの重要性です。 くぼ「たとえば、まとまった期間の家族旅行は、子どもが学校に通い出すと難しくなっていきます。どんなにお金を貯めても、時間を戻すことはできないので、ピーク期を避けて子どもと旅行がしやすい就学前を“黄金期”と称して、積極的に旅をしました。 今は、子どもが中学生になって、自立の時期が時々刻々と近づいていることを感じています。時間が有限ということが見えてきたので、“節約”と“時間”を天秤にかけて、後者を選ぶこともあります。“楽しむ時間”を増やすためにお金をどう使うか、リビングでゆるやかに話し合っています」 家計やライフプランを共有することは、「家族の人生にとって、今、何が大事か」を見極めることにもなる……。「家計を考えることは、人生を考えること」とくぼさんが語る理由は、ここにあります。