パート勤務ですが、祖母の葬儀のため「慶弔休暇」を取りたいです。欠勤だと給与が減ってしまうのですが、正社員でなくても取得できるのでしょうか?
慶弔休暇が有給とは限らない
慶弔休暇を有給扱いにしている企業が多いですが、有給か無給かはあくまで企業の判断になります。無給の場合もありますので、就業規則を確認することが大切です。 ●慶弔休暇があるか、ないか ●慶弔休暇が有給か、無給か ●入社していつから取得できるのか ●起算期からいつまでに取得しなければいけないのか また、慶弔見舞金があるかも要チェックです。前記の2017年に実施した、独立行政法人労働政策研究所・研修機構の「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」によると、非正規労働者に対して慶弔見舞金制度を設けている企業は53.9%との結果が出ています。
2021年4月より「同一労働同一賃金」が導入
「同一労働同一賃金」という言葉をご存じですか? 正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇の差の解消を目指すため、大企業では2020年4月より、中小企業では2021年4月より施行・導入されています。 厚生労働省より引用すると、「同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)との間の不合理な待遇の差を目指すものです」とあります。 つまり、業務内容や業務に伴う責任の程度が同じであれば、パート、アルバイト、正社員に関係なく同等の賃金、福利厚生にしなければいけません。この制度の導入により、パートも正社員同様の待遇が期待されます。
慶弔休暇がとれない? 意外な落とし穴
「同一労働同一賃金」は、実は違反しても会社側に罰則や罰金がない制度になっています。 また、短時間パートで働いている場合、正社員同等の業務内容といえず「不合理な差」に当たらないと主張されることも考えられます。同一労働同一賃金をどこまで守るかは企業次第、ということに留意が必要です。 各企業は導入を進めている段階ですが、中小企業の場合、上長や人事部の担当者が理解していない可能性もあります。曖昧であれば「慶弔休暇は、同一労働同一賃金の対象でしょうか?」と自ら上長へ確認するのも手です。上長もその問題に関心を持ち、人事部と相談し見直すきっかけになるかもしれません。 また、所定労働日より比例で付与される場合もあります。正社員は3日取得できるところ、パートは1日だけ付与される可能性もあるかもしれません。パートでの慶弔休暇の扱いに不明点があれば、まずは上長へ相談することが一番です。 出典 厚生労働省 同一労働同一賃金特集ページ 厚生労働省 モデル就業規則令和5年7月版 独立行政法人労働政策研究所・研究機構 企業における福利厚生実施の実態に関する調査 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部