なぜ元プロ野球出身選手より先に“最年長女子”宮地静香がクリケット日本人初のプロ契約を結べたのか
クリケットの日本女子代表である宮地静香(40)がアラブ首長国連邦のドバイで5月に開催される新設の国際プロリーグ「FairBreak Invitational 2022」とプロ契約を結んだことが発表され26日、栃木県佐野市で会見が開かれた。日本クリケット協会が推薦して豪州に本部を置く主催者がオファーを出してきたもので、今大会だけの短期間契約だが、日本人選手のプロ契約は初の快挙。元広島などで活躍した木村昇吾(41)や元横浜DeNAの山本武白志(23)らプロ野球界からの転身組が話題を集めて海外でのプロ契約を目指しているが、意外にも栄えある日本人プロ第1号は日本の女子最年長プレーヤーだった。
世界30か国以上からトップ女子選手がドバイに集結
夢への“招待状”は突然来た。 「メンバーの1人に選ばれました。参加しますか」 昨年10月中旬のとある朝。宮地に一通のメールが「FairBreak Invitational 2022」の主催者から届いた。 今大会は当初、香港で開催が予定されており香港協会と親交のある日本クリケット協会は、培ってきたルートなどを使い、主催者に4人の日本人選手を推薦していた。宮地は、その詳しい背景を知らず、しかも、自ら大会主催者にアプローチをかけていたもののなしのつぶてだっただけに驚いたが、「やっとか、と嬉しかった。こんないい機会はない」と迷うことなく参加の返事を返した。その後、英文での契約書が届き、12月7日に正式にプロ契約のサインを終えた。 これまでもニュージーランド、豪州、イングランドなどでプレーしたが、すべて自費での参加でプロ契約を勝ち取ることはできなかった。 「日本にクリケットがあるの?」という“バイアス”のようなものがかかって、純粋にプレーヤーとしての評価がもらえず「壁を感じていた」という。 それだけに「代表として活動している中でチームとして結果を出せた時期はあった。一個人としての実力は、どれくらい世界で通用するのか。試すのにいい機会と思った」と、突然、舞い込んだビッグチャンスに目を輝かせた。