なぜ元プロ野球出身選手より先に“最年長女子”宮地静香がクリケット日本人初のプロ契約を結べたのか
今回のリーグにはインド、豪州、ニュージーランド、南ア、スリランカなどのクリケット大国を含めた全世界30か国以上から選りすぐりの女性アスリート約90人が集結。15人ずつが6チームに分かれて5月1日から15日までの15日間で19試合が行われる。 クリケットの盛んな豪州に本部を置く主催者が「性別や居住地域に関わらず、それぞれの分野で成功できるよう、公平で平等な機会を与えられる世界の実現を目指す。主にクリケットを手段とし真にグローバルな規模でジェンダー平等を推進する機会を提供する」とのビジョンで立ち上げた女子リーグだ。 宮地の情報によると、代表からは引退したがパキスタンの“レジェンド”であるサナ・ミル、ニュージーランド代表の主将、ソフィー・デバイン、南アからは、オールラウンダーの世界ランキング1位選手や「世界で最も速いボールを投げる」選手が参加するなど各国のスーパースターが選ばれているという。 元広島の木村や巨人、ロッテで活躍した故・山本功児氏の息子の山本らのプロ野球からの転向組よりも先に宮地が、日本人プロ1号を勝ち取った背景には、女子の特別な新設リーグであることと、ここまでの国際大会での実績などが評価されたことがある。 現段階で、どういうチーム分けになるのか、宮地が出場できるのかもわからず「どれくらいチャンスがあるか未知数」だと言うが、左投げ、左打ちのスピードが自慢のオールラウンダーである宮地は、「左投げはあまりいない。現地の練習で投げることをアピールすれば試合に出る機会も多いんじゃないか」と楽観的だ。 クリケットは、日本ではまだマイナー競技だが、世界的に見ると競技人口はサッカーに次ぐ第2位でインドや豪州などのプロリーグではトッププレーヤーは数億、数十億円の年俸を稼ぐ。だが、今回の宮地のプロ契約は、15日間だけの短期契約。契約したギャランティについては、「詳しい金額は言えない」としたが、往復旅費、滞在費にプラスして「多少のお金が支払われる」という。