ヤクルト・大西広樹の進化にコーチ陣も脱帽「すごい成長」 防御率0.93、オールスター初選出...
真っスラとは、打者の手元で小さく鋭く曲がる真っすぐとスライダーの中間的なボールだ。 「シュートを投げ始めてから、ストレートが真っスラしなくなってしまったんです。しかも指のかかりが悪く、もともとリリースの位置が高いほうだったので捕手までの距離が遠く、ベース上で球が弱くなる。なので、ボールをもっと前で離して、ベース上でも強いボールを目指したときに両指をかけたほうがいいと思って、オフに取り組みました。4月、5月はあまりしっくりきていなかったのですが、6月に入ってからその成果というか、ボールが強くなった感じがあります」 大西のこうした話を聞いたあとで、今シーズンのここまでの数字を切り取ると、じつに興味深い。38.2イニングを投げ、被安打35とほぼ1イニングに1本のヒットを許しているが、四球は7個と少なく、許した長打は本塁打と二塁打の2本のみ。 「ゴロ率を上げようとすればするほど、ヒットは増えちゃったりするんですけど、ゴロで抜ける打球についてはOKと思っています。ただ、ホームランは何か原因がある。そういうのを調べて、こういうボールでいったらダメだなとか、そういう感じでやっています」 【中日のマルティネスに聞きたいこと】 前出の石井コーチは、大西の野球に向き合う姿勢についてこう話した。 「大西はあの体格(175センチ・92キロ)だし、ぶっきらぼうに見えるんですけど、実際は木澤(尚文)と並んで勉強熱心ですよね。ボールの数値を見ながら『ここが弱いから、次はここを頑張ろう』と課題を持ってやっています」 大西は言う。 「悪いところをその日のうちに修正できるのが、今の時代だと思っています。球場ではホークアイだったりトラックマンだったり、投げたボールの数値が出ます。自分は数字にはあまり詳しくないので、悪かった時はアナリストの方やトモさん(伊藤智仁コーチ)に聞いて、何が原因だったのか教えてもらっています」