《医師&食のプロが選んだ》体温を上げる食品&習慣ランキング 肩こり改善・感染症予防などいいことずくめ!肉や魚の中ではラム肉がランクイン
スパイスが血行を促進
体温を上げ、病気知らずの体になるために、これからの季節にマストで取り入れるべき食品は、1位の「しょうが」。専門医と食のプロからも圧倒的な支持を得た。管理栄養士の磯村優貴恵さんも自身の1位にしょうがを挙げた。 「生のしょうがに含まれるジンゲロールという成分は発汗を促し、末梢部位の血流アップに役立ちます。しょうがを乾燥、加熱するとショウガオールという成分に変わり、これには体の深部で熱を産生する働きがある。料理や飲み物など幅広く手軽に取り入れられるので、積極的に摂るといいでしょう」(磯村さん) しょうがに続いて、2位には「スパイス」、3位には「にんにく」と香りの強い香辛料や香味野菜がランクイン。いずれも血行や血流をよくすることで体内に酸素や栄養を行き渡らせ、代謝を高めて体温を上げる。秋葉原駅クリニック医師の佐々木欧さんはスパイスの効能をこう話す。 「シナモンやカルダモン、クローブなどといったスパイスは、古来から体を温める成分として漢方や薬膳に取り入れられてきました。紅茶とスパイスを煮詰めるチャイはいちおしです」 川崎さんも重ねる。 「シナモンには、毛細血管を丈夫にする働きのあるTie2という物質を活性化する成分が含まれています。血液の流れがなくなって消えていく毛細血管は『ゴースト血管』と呼ばれますが、ゴースト化を予防するのにTie2の活性化と血流アップは重要だと考えられています」 スパイス料理の定番と言えばカレー。管理栄養士で国際中医薬膳師の清水加奈子さんは、「カレー粉に含まれる辛み成分が代謝と血流をよくし、末梢の冷えも改善する」と太鼓判を押す。
たんぱく質が熱を生み出す
体温上昇には、熱を生み出すたんぱく質も欠かせない。あらゆる肉や魚の中で、プロたちが票を投じたのは5位の「ラム肉」だ。管理栄養士の中沢るみさんは、「食品の中でもっとも熱を生み出す」と、その効果について解説する。 「食べ物を食べることによって体温を上げる働きは『誘発性産熱』と呼ばれ、脂肪や炭水化物に比べたんぱく質が圧倒的に高い。なかでもラム肉は北欧やモンゴルなど寒い地域で好んで食べられるほど体を芯から温める効果が期待されます」 たんぱく質ではほかにも、11位の「さば」や、12位の「納豆」、13位の「牛肉」が挙がった。ナビタスクリニック川崎院長の谷本哲也さんは、「ボーンブロス」を推奨する。 「ボーンブロスとは“骨からだしをとったスープ”のことで、鶏肉や牛肉、鯛や煮干し、えびの殻などを使います。アミノ酸が豊富に含まれ、代謝をサポートし体を内側から温める効果がある。肉や魚を食べる場合には、骨も有効活用しましょう」 健康効果の高い腸活も、体温を上げるのに一役買う。そのためにぜひ習慣に取り入れたいのが発酵食品だ。4位に「みそ」、8位に「キムチ」、12位に「納豆」が入った。健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子さんが解説する。 「発酵食品自体に体を温める効果があり、整腸作用で腸が活発に動くとエネルギー代謝が高まります。みそやキムチと、食物繊維が豊富な根菜類などのみそ汁や鍋料理がおすすめです」