【58歳で“美尻講師”に】拒食症やパニック障害、重度の腰痛の経験を経てわかった「生き方のコツ」
輝くための入り口は、いつだって“自分の体”から
「落ち込んだ分だけ、“自分のトリセツ”が完成していく」そう話す薫さんには、今も大事にしている教えがある。 お坊さんの説法から学んだ「心技体」という言葉。「心を強くしたり、精神を整えるためには、まず“体”から見直すことが大切だという教えです。体が整うといつの間にかそれは“技術”となり、技術が身に着いた頃には“心”が整っているんだそうです。 当時、苦しくてどうしたらいいか分からずもがいていたけれど、まず必要なことは体のメンテナンスや、自分の体についてもっと知ることだと学んだんですよね」 ヨガと出会い、自分の体と向き合うことを愚直に続けて9年。今、彼女はこう語る。 「自分で試行錯誤しながら体を動かしてきて、しっかり向き合ってきたからこそ、自分のことが好きで大切にできているんだと思います。私の心がいつでも満タンな状態でいられるから、そこから溢れたものをこうやって人に提供することができるんだと。 まるでジェットコースターのような40代でしたが、今となってはあの頃があったからこそ“今”の私がココにこうして在るのだと思っています」
ブラビッシモ薫さんが伝えたい「一番大切にしてほしいこと」
ボディメイク講師という仕事を通して、生徒から人生相談を受けることも多いという。 「多くの生徒さんと接する中で、人は誰しも苦しい時期や辛いことを経験してきていると感じています。大切なのは“起こったことをどう捉えるか“。それを学ぶためにも、まずは自分の体がどうなっているのかを知るところから始めてほしい」 「“自分のことを置き去りにしている”という事実に気づいてない人が多い。周りの人のこと、家族のこと、子どものこと、他人のことばかり優先していると、いつの間にか自分のことがからなくなってしまう。だからこそ、まずは“自分は大切なものである”ということに気づいてほしいんです。 一番最初の指導は、“手で体を洗いながら、ありがとうとつぶやくこと。怪しいと思いますか?(笑) 心がこもってなくてもいいんです。ただひたすら、やってみてって伝えています。 私もこの洗い方を毎日行い、1-2カ月続けたころで涙が溢れて止まらなくなりました。“あぁ私、自分の体にありがとうって言ったことが今まで一回もなかったんだな”って気が付いたんです。腰が痛いとか下半身が太いとか、自分の体を攻め続けてきたなと。そこからは自分自身が大切になり、自分の体に感謝の気持ちを持って向き合えるようになりました。これは運動で体を変えるというのも同じことで、その気持ちを持ったうえでトレーニングを行うと、今までとは全く違うものになるんです。 それはただ“やらされている”だけではなくて、“自分と向き合う気持ちが変わる”ことで、驚くほど結果も変わってくるんです。例えば美尻教室だと、お尻の上がり方にも表れます」 続けて彼女は力強く言った。 「何事も遅すぎることはないんです」 そう話す彼女の周りには今日も、再び輝きを取り戻した女性たちの笑顔が溢れている。