【58歳で“美尻講師”に】拒食症やパニック障害、重度の腰痛の経験を経てわかった「生き方のコツ」
ある日突然、パニック障害が発症
そもそも42歳でダンスを始めたのは、ある事件がきっかけだった。 それはいつもの昼下がり。学校から帰宅した子供たちとお昼を食べていたとき、 “ズン”という大きな地響きと共に、近所の人が慌てて玄関へ駆け込んできた。 「薫さん! 家の前に!」 子どもたちを部屋に残し、急いで外に出ると、そこには想像を超える光景があったという。 思いもよらぬ事故現場に遭遇。そのあまりの悲惨さと恐怖から、現場を凝視したままで立ち尽くしてしまった。その日からというもの、日々フラッシュバック現象に苦しみ、だんだんと心が暗く沈んでいったのだという。 「最初は子どもたちのメンタルばかり気にしていたのですが、子どもの立ち直りは思ったよりも早くて、一番精神的に来ているのが自分だということに後から気が付いたんですよ」 入浴中に過呼吸で倒れたのをきっかけに、不眠症や摂生障害に発展。 心療内科から診断されたのは、ショッキングな経験からくる“外傷後ストレス障害(PDSD)”だった。
彼女を変えた“出会い”
抗うつ剤を飲み、睡眠剤がないと寝られない状態が3カ月ほど続いた。 「一人でお風呂にも入れないし、外出もできなかった。死んだように生きる日々が続いていましたね。当時を振り返ってみても、自分がどう生きていたのか全く思いだせないんです。 そんなとき、たまたま娘が友達からEXILEのPVを借りてきたんです。それをチラリと見た時、釘付けになって……。画面の中で楽しそうに踊るメンバーがキラキラと輝いて見えて、“なにあれ、同じ人間?”と驚いたんです。 あんな風に光を纏い、みんなにエネルギーを与えて生きている人達と、大切な家族にさえ何もしてあげられず、こんな風に落ち込んで生きている自分も、同じ“生きている”なんだなと思って」 その瞬間、彼女のなかでスイッチが入る音がした。 「私も向こう側に行きたい! そう思ったんですよね」 そこからは、「なんだろう?」「興味ある!」などの直観に従う覚悟を決めているのだと話す。 その日を皮切りにEXILEを観始め、マキダイさんのファンに。 そしてある日、彼のブロマイドを枕の下に入れて寝ると、半分の睡眠剤で寝られるようになった。そこからは徐々に睡眠剤を減らしていき、最終的には断薬できるほど回復した。 自身の急激な変化に驚き、 “EXILEしかない!”と思った薫さんは、即ファンクラブに入会。ライブを探して、ブログをスタートした。そして、EXILEのように踊りたいという気持ちからヒップホップも習い始めた。 「1日ですべてをスタートさせてしまうほど、EXILEという存在が私にエネルギーと、生きる意味を考えさせてくれたんです」 当時、薫さんが42歳の時の出来事だった。