#3【小泉今日子さん】亡き母の家で思う、自分の老後。新しいシニアライフを自分の手で作っていきたい
2022年冬に、最愛の母を在宅で看取り、かけがえのない時間を過ごしたという小泉今日子さん。最終回のインタビューでは、母がいなくなった実家をどうするか、そして、これから迎える老後をどう楽しむか――小泉さん独自の計画を語っていただきました。 ※この記事は、2023年5月の取材をもとにしています。
母亡き後の実家の片付け、そして今後
2022年のクリスマスに、約1か月の在宅介護を経て、母を見送った小泉さん。今一番したいことは「母の家の片付け」だといいます。 「物のない時代を経験しているからか、母の世代って本当に物を捨てないんですよ。まだ母が元気だった頃、姉と一緒に断捨離しようと言って、トラック1台分くらいの量を捨てたことがあったんです。でも放っておくと、またすぐに物が増えて元の状態に戻っていました。 おしゃれが好きな母だったから、つい新しい服を買っちゃうんでしょうね。亡くなってから家を整理していたら、ものすごい量の洋服があって。スパッツだけでも、姉と二人で笑っちゃうくらい山のように出てきました。ゆっくり片付けに行きたいけど、忙しくて時間がとれないのが今の悩みです」 小泉さんは、物の片付けが一段落したら、母の住んでいた家をもっと楽しく活用できないか、あれこれ考えているそう。 「母の家がある神奈川県厚木市は、私が生まれ育った町で、叔母や姪っ子をはじめ親戚がたくさん住んでいるんですね。だから、古くなった家に手を入れて、私が居心地よくいられる場所を作って、親戚みんなが集まれる広間みたいな場所も作りたいと思っているんです。 母を家で看ようと決めたとき、叔母や姪っ子たちがみんなで助けてくれたから、母にしてくれた恩を、これから私と姉でどんどん返していきたいですね」
娘2人が私を取り合って、家の中ではモテモテ状態
母亡き後、実家に残されたのは大量の物だけではありませんでした。実は、母が飼っていた猫が1匹残されたのです。もともと東京の自宅で保護猫を引き取って暮らしていた小泉さんは、母の猫も連れて帰ることにしました。 「元保護猫の黒猫ちゃんと、母が飼っていた三毛猫ちゃんはどちらも女の子。まだいまいち仲良くなっていませんが、最近はパタパタと追いかけっこする姿も見掛けるようになりました。 黒猫ちゃんと私の1対1で暮らしていたときは、お互いに親友みたいな感じでしたが、もう1匹増えたとたん、不思議と家族のような雰囲気になって、今では2人の娘を持つ親のような気分。 『お嬢ちゃんたち、ご飯にしましょうか』なんて声を掛けたりしています。娘2人がいつも私のことを取り合っていて、家の中ではモテモテなんですよ(笑)」