「行動の量」を増やすことが、“根性論”にならない理由とは?
プレゼンの質がどれだけ高くても、顧客に予算がなければ商談につながりにくい。「行動の質」はコントロールが難しい一方、「行動の量」を増やすことは成果を高める最短ルートになる。“キーエンスの数値化”を実践してきた岩田圭弘氏は「仕事の成果が低いのは、単純に量が足りていないケースがほとんど」という。本連載では、『数値化の魔力“"最強企業”で学んだ「仕事ができる人」になる自己成長メソッド』(岩田圭弘著/SBクリエイティブ)から内容の一部を抜粋・再編集し、最小の努力で成果を最大化する数値化の秘訣を紹介する。 第4回は、「行動の量」をコントロールすることについて解説する。 ■「行動の量」はコントロールしやすい もう一つ、「行動の量」から着手するべき理由として、「行動の量」はコントロールがしやすいという点が挙げられます。 たとえば、営業でいう「商談化率」や人事でいう「入社率」などは、自分ではどうにもできない部分が残ります。 どんなにあなたが質の高いプレゼンをしても、顧客側の予算が足りないという理由で、商談化しない可能性もあります。 どんなにあなたが良い条件提示をしたとしても、応募者側の価値基準で別の会社を選ぶかもしれず、入社には至らないかもしれません。 「行動の質」を考える際、多くの場合で「相手」という不確実な存在がいるため、どうしても自分でコントロールできない部分が残るのです。 一方で、「行動の量」は自分次第で容易に増やすことができるケースがほとんどです。 営業であれば、「DM」や「電話」の数を増やせるかどうかは、自分が「DMを送る」「電話をする」という行動を起こすかどうかという、ただそれだけです。 人事であれば、「応募数」を増やすには、求人広告を増やすか、エージェントを増やすかどうかだけであり、比較的自分次第でどうにかなるケースがほとんどです。 特に若いビジネスパーソンでまだ経験もスキルも十分ではないという場合は、「行動の量」を増やすことが成果を出すための最短ルートとなります。 ■「行動の量」は自分の精神面を守ってくれる また、他にも「行動の量」から着手したほうがいい理由として、「自分の精神面のケア」に役立つという点が挙げられます。 そもそも、人は無意識のうちに「行動の質」に逃げがちです。 あなたも日々仕事をする中で、「自分の打診の仕方に問題があるのではないか」「自分の話し方に問題があるのではないか」と自分の能力や技術力、つまり「行動の質」ばかりに目が行くのではないでしょうか。 あるいはこれが行き過ぎると「自分に人間的魅力がないからいけないのではないか」といった考えに至ってしまう場合もあります。 いずれにせよ、最初から「行動の質」を考えてしまうと、自分を必要以上に責めてしまい、気分の浮き沈みが生まれてしまいます。 しかし、実は多くの場合、「単純に量が足りていない」ケースがほとんどだったりします。