意外にも「承認率90%超」だが…負動産を手放せる「相続土地国庫帰属制度」の、世間がまだ知らない“高すぎるハードル”【行政書士が実情解説】
「不要な土地」を本気で手放したいなら、早めの行動を
相続土地国庫帰属制度にかかる費用として、審査手数料(1筆あたり14,000円)と承認後に国に納める標準的な土地管理費用相当額の10年分の負担金(原則20万円)だけをイメージしがちです。しかし、土地によっては、申請に辿り着くまでに相当な費用が発生する可能性があることも見逃してはいけません。 それでも、そんな大変な手間や費用がかかる土地だからこそ、なおさら子どもに遺すわけにはいきません。多くの親たちが自分の代で解決するべく売却や寄附の可能性を探り尽くした結果、最終手段として、この制度の利用を真剣に検討していることも事実です。 ただ、現在の高い帰属承認率の水準(約90%以上)がいつまで続くのか?という点も不透明であり、ある時点で国から「引き取り予算が終了したから帰属制度は打ち切り」と言い渡されることはないかと心配する声も多く聞かれます。本気で不要な土地を手放すことを考えるのであれば、早めに着手するほうがよいかもしれません。 平田 康人 行政書士平田総合法務事務所/不動産法務総研 代表 宅地建物取引士 国土交通大臣認定 公認不動産コンサルティングマスター
平田 康人
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