残留か、移籍か?どうなるイチローの去就
そういう状況から、FA選手と契約する場合は、控えをある程度受け入れてくれるその一つ下のクラスで、さらには1年契約が可能なベテランということになる。 狙いはおそらく、来年40歳になるトリー・ハンターだろう。もっとも彼なら、まだレギュラーとしての誘いもあるはずで、だとすれば、ヤンキースには分が悪い。 ダメなら候補は、今季終盤、ヤンキースに加入したクリス・ヤング、ジョシュ・ウィリンハムあたりか。しかし、その程度でお茶を濁すなら、イチローや若い選手を起用した方が、という考え方もある。さらに言えば、若い選手よりもイチローの方が計算できる。イチロー再契約論は、そんなロジックの上に成り立っている。 もちろん、FAである以上、イチローにも選択肢はある。ヤンキースであれば、控えを前提とした契約。よってより多くの出場機会を求めるなら、移籍した方がその可能性は増すはずだ。 では、どこが外野手を求めているのか。ざっと、メジャー全30球団の状況をまとめてみた。カッコ内はこのオフに補強を必要とする選手の数。挙げた名前はそのチームで来季のレギュラーが保証されているであろう選手だ。大きく分けてグループは3つ。 1)外野手を必要としている。 2)FA選手の動向次第で、補強が必要。 3)外野手の布陣が固まっている。 ※〈図表1〉〈図表2〉〈図表3〉参照 ※ 図表1は前ページ、図表3は次ページ以降に掲載 こうして見ると、パドレスなどは2人も必要としており、ツインズもダニー・サンタナをショートに戻す案があり、そうなれば2人必要。オリオールズとブルージェイズでも、外野のレギュラーに2人もFA選手を抱えており、一気に2つのポジションが空く可能性がある。そんなチームに加え、契約上、レギュラーが埋まっているものの、ブレーブスやフィリーズはトレードを模索しており、固定にはほど遠い。 問題は、他にどんな選手がFAとなり、枠を奪い合うかだが、今年はFA 外野手の不作年と言われている。