残留か、移籍か?どうなるイチローの去就
間もなく、ヤンキースとの2年契約が正式に切れ、FA(フリーエージェント)となるイチロー。ワールドシリーズが終って、6日後から全チームと交渉できるようになる。 ニューヨークの地元紙などは、イチローとの再契約に懐疑的だが、「1年契約ならあるのでは」との見方もある。ヤンキースには一応、カルロス・ベルトラン、ジャコビー・エルスベリー、ブレット・ガードナーという3人のレギュラーがいるが、いずれも年間通してプレイすることに不安があるからだ。 特に今季は、ベルトランが右ひじの故障で戦列を離れ、復帰後も守備機会が限られた。おかげでイチローの出場機会が増えたわけだが、ヤンキースとしては、イチローに再び、バックアップの役割を期待しても不思議はない。むしろ、イチローのような選手を好むブライアン・キャッシュマンGM(ゼネラルマネージャー)は、そのつもりかもしれない。
ヤンキースの他の選択肢としてはもちろん、あと2つある。一つは、マイナーからの昇格。現時点では、ゾリオ・アルモンテ、アドニス・ガルシアという2人の候補がいて、キャンプで4番目の外野手枠を競わせることも出来る。一種の賭けだが、あくまでも控えなので、リスクは低い。 もう一つは、いつものようにFA(フリーエージェント)選手と契約し、穴を埋める方法。ただその場合、狙いは、トップFAというわけにはいかない。メルキー・カブレラ、ネルソン・クルーズ、コルビー・ラスマス、ニック・マーカキスら、実績のある選手らと契約すれば、おそらくベルトランを指名打者中心の起用にせざるを得ないからだ。 ジョー・ジラルディ監督としては、指名打者を固定せず、疲労や故障の程度を見極めながら、“半休”を必要とする選手をそこで起用したい。ヤンキースには、1年の出場停止から復帰するアレックス・ロドリゲス、故障の多いマーク・テシェイラらがおり、その意味でも、指名打者枠は空けておきたい。専任を作るわけにはいかず、またそれでは、ベルトラン獲得が失敗だったと認めることにもなる。