アイリスオーヤマの新たな柱はパックごはん? 「食品事業」強化のワケ【WBS】
アイリスオーヤマは、手頃な価格の家電やクリア収納ケース、マスクなど、家電・生活雑貨のメーカーとして成長してきました。そのアイリスオーヤマが9日、新たな柱として力を入れていくと発表したのが「食品事業」です。なぜいま食品に力を入れるのでしょうか。 佐賀県・鳥栖市。アイリスオーヤマが9日に公開したのは、西日本の拠点工場の新たな生産ライン。もともとはプラスチック収納を作っていた工場を改修し、パックごはんの工場に変えました。この工場では1日に最大20万個のパックごはんを生産できるようになったといいます。 さらに、新ブランドの炭酸水「クリスタルスパーク」の生産を開始しました。これまでプラスチック製品などを製造していたこの工場に、120億円をかけて食品を生産できる設備を導入したのです。 食品事業についてアイリスオーヤマの大山晃弘社長は「水、パックごはん、その他の食品が非常に力強く成長している。この食品事業をアイリスグループのもう一つの柱にしたい」と話します。
もともとアイリスオーヤマは、1958年に大阪の町工場「大山ブロー工業所」として創業。プラスチック加工の下請けをしていましたが、1980年代に中身が見えるクリア収納ケースが大ヒットしました。 さらに掃除機や炊飯器といった家電事業にも進出。かつて1万円ほどしていたLED電球を2010年に1980円という低価格で発売し、大人気に。さらにコロナ禍でのマスクやオフィス向け掃除ロボットまで、およそ2万5000点の商品を展開しています。 こうした中で、新たに経営の柱として力を入れるのが食品事業です。2013年、東日本大震災の復興事業として始まりましたが、売り上げは伸び続け、今年は前の年から1.5倍の430億円を目指しています。 急成長を見込む理由について大山社長は「非常に円安が進んでいるので、日本の米も水も品質が良くて供給量があり、輸出には向いている。食品に関しては国内生産、国産が基本。これまで輸入が多かったが、国内生産ということで為替に強い。企業として力強い組織になる」と話します。