“7人全員が主人公”のBE:FIRST、初の東京ドーム公演を起点に紐解く2年4カ月の軌跡【映画第2弾『BE:the ONE -MEANT TO BE-』最速レビュー】
クリエイティブファーストを体現した「Mainstream」
次なる革命は── -D150。「Mainstream」だ。このJ-POPの範疇から大きく逸脱した楽曲をノータイアップでシングルの表題曲としてリリースしたのは、音楽ファーストであるということに加え、東京ドーム公演を成功させるため、音楽シーンにおけるBE:FIRSTのプレゼンスを何段階も上げる必要があったからだ。7人それぞれの発言を通して改めてそのビジョンを理解することで、より東京ドームの「Mainstream」のパフォーマンスが意義深くたくましいものに見えてくる。 トラック、リリック、コレオ、映像……「Mainstream」に関するあらゆるクリエイティブは音楽シーンに衝撃を与えた。クリエイティブファースト、クオリティファースト、アーティシズムファーストとはこういうことなのだ、と。その反響は国内に限らず、この10月に「Mainstream」のMVが『ロンドン・インターナショナル・アワーズ2024』の「Music Video-Choreography-」でブロンズを受賞するという快挙を成し遂げたことも記憶に新しい。この曲のコレオを手がけたのはSOTAと盟友ReiNaだ。
BE:FIRSTが気づかせてくれた「この世界の誰もが主人公」
いつも支えてくれるBESTYへの想い、ゼロから一緒に歩んできてくれたSKY-HIへの感謝、この7人でいることの必然、BE:FIRSTを構成するピースが映し出されていき、いよいよ東京ドーム公演が近づいていく──。 約2時間に収められた、今から約半年前の時点でのBE:FIRSTをめぐる物語。BE:FIRSTとはどんなピースで成り立っているグループなのか? それを目の当たりにする中で強く印象に残るのは、BE:FIRSTの7人がステージ上でもインタビュー中でもリハーサル中でも楽屋でも、常にありのままであるということである。筆者はありがたいことに幾度となくBE:FIRSTを取材する機会に恵まれているが、そこでの7人もスクリーンの中の7人と同様に常にありのままだ。 7人の個性が響き合い、それぞれの個が200%輝いているようなBE:FIRSTのパフォーマンスを見ていると、7人全員が主人公であるということをひしひしと感じる。それはステージを下りても同じである。7人はお互いをリスペクトし、思いやり、支え合い、ふざけ合う。そこにはなんの序列もない。 BE:FIRSTのそんな姿からはこの世界の誰もが主人公なのだということを深く知ることができ、努力と何かしらの才能と意志によって誰もが輝くことができる世界があるのではないか──そんなことを感じるのだ。 * ■映画『BE:the ONE -MEANT TO BE-』 公開日:2024年11月15日(金)より全国公開 監督:オ・ユンドン、キム・ハミン エグゼクティブプロデューサー:SKY-HI 出演:SOTA、SHUNTO、MANATO、RYUHEI、JUNON、RYOKI、LEO 配給:エイベックス・フィルムレーベルズ (C)B-ME & CJ 4DPLEX All Rights Reserved. 写真撮影:田中聖太郎写真事務所
文=小松香里