“7人全員が主人公”のBE:FIRST、初の東京ドーム公演を起点に紐解く2年4カ月の軌跡【映画第2弾『BE:the ONE -MEANT TO BE-』最速レビュー】
ひとつの革命が始まった「Boom Boom Back」
東京ドームの1カ月前、7人は個別にインタビューを受けている。メンバーそれぞれに「850日という数字が意味しているものは?」という質問が投げかけられる。みな首をかしげるが、随一の記憶力を持つLEOがうれしそうな表情で「デビューからドームまでの日にち」と言い当てる。そう、本作は「850日」を筆頭に、日数がひとつの鍵となっているのだ。 東京ドーム初日から●日前、BE:FIRSTには何が起きていたのか? まずは、-D356。つまり、東京ドーム初日から356日前。初のワンマンツアーでLEOが壁にぶつかっていたことを想起させる映像に2024年のLEOが当時の状況を振り返る声が重なったかと思ったら、当時のリハで的確にダンスの改善を指示するSOTAの姿が映る。本作はこのように、過去の映像と東京ドームのライブ映像と、東京ドーム前後のインタビュー映像が交錯し、立体的に過去・現在・未来のBE:FIRSTを浮き上がらせていくライブドキュメンタリー映画だ。 その中には、デビュー当初の初々しい映像や7人が出会った『THE FIRST』の映像も混ざっている。なお、本作の映像の軸を担う東京ドーム初日のパフォーマンスの研ぎ澄まされぶりや感動的なMCなどについては筆者が書いたライブレポート(『avex portal』掲載「「BE:FIRST LIVE in DOME 2024 “Mainstream - Masterplan” 」東京ドーム・京セラドーム大阪公演オフィシャルライブレポート」)に詳しく記載している。 2022年11月@長野。ワンマンツアーの楽屋でSKY-HIがある曲をメンバーに聴かせる。「これだよ!」というアクションで興奮をあらわにする面々。BE:FIRSTのメンバーのルーツのひとつである90年代ヒップホップの香りが色濃い楽曲「Boom Boom Back」である。 その約1年半後、SOTAが初めて立った東京ドームのステージから「ここまでついてきたお前らなら、この曲の楽しみ方知ってるよな!?」と問いかけて「Boom Boom Back」をパフォーム。「Boom Boom Back」からBE:FIRSTは自らの意志をヴィヴィッドに楽曲に反映させていったわけだが、SKY-HIが楽屋でこの曲を聴かせた2022年11月からBE:FIRSTのひとつの革命が始まっていたことに胸が熱くなる。