厚生年金と国民年金は月額平均14万円。でも14万円を受け取れる人は約5.9%って本当?
厚生年金を月14万円受け取れる人の現役時代の年収は?
最後に厚生年金の平均月額「14万円」を老後に受け取れる人の、現役時代の年収を確認しておきましょう。 ご自身の現在の年収と、本章で紹介する「老後に14万円を受け取れる年収」を比較してみてください。 厚生年金の受給額は「2003年3月以前の加入期間」と「2003年4月以降の加入期間」で計算式が異なります。 ・2003年3月以前の加入期間:平均標準報酬月額×(7.125/1000)×2003年3月以前の加入月数 ・2003年4月以降の加入期間:平均標準報酬額×(5.481/1000)×2003年4月以降の加入月数 ※平均標準報酬額:勤務先から支給される報酬の平均額で、月給と賞与を合わせて12で割った金額を指す 本章では「2003年4月以降に加入した」想定で、年金月額14万円の人の現役時代の年収目安を算出していきます。 試算条件は下記のとおりです。 ・国民年金受給額(満額):81万6000円 ・厚生年金加入期間:38年間 ・配偶者や扶養家族はいない 厚生年金「月額14万円」を受給すると想定した場合、年間で168万円を受給することになり、厚生年金には国民年金の受給額も含まれているため、まずは国民年金部分を差し引きます。 国民年金81万6000円を差し引くと、厚生年金のみでは86万4000円受給する必要があるため、平均標準報酬月額は下記のように計算することができます。 ・平均標準報酬額×5.481/1000×456ヶ月(38年間)=86万4000円 ・平均標準報酬額=約34万円 上記の計算式から、「平均標準報酬額」は約34万円となり、38年間の平均年収が「約408万円」であれば、厚生年金として月額14万円を受け取れる計算です。 国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は458万円であることから、一般的な会社員世帯の場合は、厚生年金として月額14万円もらえる見込みはあるとうかがえます。 留意点として、上記はあくまで38年間継続して、平均年収が408万円だった場合を想定しており、年齢とともに年収が増減している方の場合は、目安の1つとして考えておけると良いです。