「選挙妨害」とは一体なんだろう?東京都知事選挙のタイミングでもう一度考えたい適正な選挙運動のあり方
2024年4月28日に投開票された衆議院小選挙区東京15区補選(以下「東京15区補選」といいます)で注目を浴びた「選挙妨害」。他陣営の演説妨害をしたとして政治団体「つばさの党」の立候補者・代表ら3人が公職選挙法の選挙の自由妨害容疑で逮捕される事態になりました。妨害行為の悪質性を踏まえて異例の逮捕に踏み切った形である一方、選挙期間中の選挙運動への妨害活動を取り締まることの困難さなどの課題も浮き彫りとなりました。このコラムでは、そもそも「選挙妨害」すなわち「選挙の自由妨害」とはどういった行為を指すのか、何が問題として残っているのかを改めてまとめてみました。
ヘイト、押しかけ……15区補選の現場で何が?
東京都第15区の選挙では、事務所への生中継をされた凸行為が報じられました。私は生放送をチェックしながら事務所を監視し、対策を練りました。 妨害行為は、ヘイトスピーチや事務所への強引な押しかけ行為でした。それに対し、私達は法を守って行動しました。私たちの陣営は情報網が発達しており、これが被害を最小限に抑えられた要因だと考えています。 警察に対応依頼は何度もしましたが、効果的な行動が得られず、警備の追加もありませんでした。 私たちは候補者の安全を守りながらも、冷静に対応する戦略を取りました。 当時の緊迫した現場の状況をこう振り返るのは葛飾区議会議員の門脇しょうへい(かどわき・しょうへい)氏です。 選挙ドットコム編集部がボネクタユーザー向けに募集した投稿企画に応募してくれた門脇氏のブログではこれから連載として、選挙妨害対策について、スタッフたちの精神的疲労について、そして今後の対策などについて発信していくといいます。ぜひ元ブログもご覧ください。 今年4月の東京15区補選の現場での「選挙妨害」には多くの関係者が対策に頭を悩ましました。選挙後には関係者が三度逮捕される事態に発展しているものの、選挙期間中に失われた時間は返ってきません。さらに、各候補が答えづらいであろう質問を大音量で繰り返し投げかける動画の再生数は伸びに伸び、妨害行為を助長したと考えられます。