「選挙妨害」とは一体なんだろう?東京都知事選挙のタイミングでもう一度考えたい適正な選挙運動のあり方
立候補者は何を訴えるべきか、有権者は何を受け取るべきか
立件された今なお残る課題もあります。 今回の問題の背景には、選挙妨害の様子を動画に納めて公開したことで収益を上げていた「落選ビジネス」の仕組みがありました。誹謗中傷で稼げることが、今回の事件の大きな動機になったとも考えられる一方で、罪として問えるのはあくまで演説を妨害した点や交通を妨げた点などに絞られます。 「つばさの党」が選挙期間中に配信した配信動画には「不満に感じていることを代弁してくれた」「このくらいやらないと今の政治は変わらない」など同政党の活動を称賛し、より過激な行動を求める内容も書き込まれていました。 都合の悪い事には口を閉ざし説明責任を果たさない政治家の姿、「政治家は悪い人」「誰が当選しても変わらない」と決めつけて1票を棄てる有権者の姿……今の日本政治の状況や選挙制度には悪意につけこまれるスキマがまだまだ空いているようです。 今回の事件は、立候補者と陣営は選挙運動で何を伝えるべきなのか、そして私たち有権者は立候補者の選挙運動から何を受け取るべきなのか、選挙の自由とは何かを考えて行動を変えなければ、いつどこでも選挙妨害はおこってしまうのではないでしょうか。