あなたの隣にもきっといる。質素な「FIRE」達成者たちへ会いに行こう(海外)
すべきことをすれば機会が増える
それでもなお、アメリカ人の多くは隣人と張り合うことは拒否し、手元にあるもので満足する方法を学んだ。ローレンス・デルヴァ=ゴンザレス氏(41歳)はワシントンDCで監査人として働き、2012年には15万ドル(約2250万円)の負債があったが、今年8月時点で130万ドル(約1億9500万円)の純資産を築いた。それでもまだ、貯蓄率を下げる気はないそうだ。 デルヴァ=ゴンザレス氏はハイチのポルトー・プランス出身で、当時は「どこをどう見ても裕福ではなかった」そうだ。祖母は朝4時に起きて、お金を稼ぐためにさまざまな副業を掛け持ちしていた。母親の年収は3万ドル(約450万円)を超えたことがなかった。 アメリカ合衆国に移住したあと、デルヴァ=ゴンザレス氏は公立大学で学士号と修士号を取得し、その過程で10万ドル(約1500万円)以上の借金を抱えた。最初の仕事は税引き前の年収が2万7000ドル(約405万円)で、その大半は食費に消えていったそうだ。 しかし、経済状況が停滞していることに気づき、学生ローンの毎月の返済額を減らして、浮かせたお金を株式市場と退職金口座に投資することにした。 「早い時期に税的に有利な口座に投資すればするほど、最終的なリターンが大きくなる」とデルヴァ=ゴンザレス氏は言う。 海兵隊の退役軍人である彼は、職を転々としながら収入を増やし、予算管理アプリを使って支出を追跡し、無駄な出費を避けながら、収入の50%以上を貯蓄に回した。2016年にコンドミニアムを13万2000ドル(約1980万円)で買ったが、ワシントンDCでは家賃が急騰したので、長期的には節約につながった。妻も含めて貯蓄が成長したので、タラハシーに賃貸用の物件を購入した。その後、この物件は価値が大幅に上昇した。 「人は、富とはなぜか手に入らないものと考えてしまう。いわば、ごく普通の人間の本能だ」とデルヴァ=ゴンザレス氏は言う。「でも、すべきことをすればするほど、自分のやりたいことができる機会が増えていく」