管理職 の3分の1が恐怖心に駆り立てられたリーダーシップを無意識に採用、年間5兆円の損失に
優れた管理職は愛に基づくリーダーシップを採用する
恐怖に基づくリーダーシップの反対は愛に基づくリーダーシップだと、ファラチ氏は考えている。「愛とは2人のあいだのロマンチックなつながりだと思われているが、それ以上のものだ」と同氏は述べ、愛は、信頼、思いやり、傷付きやすさ、尊敬など、心理的に安心できる環境を作り出すのに必要な感情を包含するものだと指摘した。 ケイズ氏もこの意見に同意し、何よりもまず、部下に安心感を与えることがリーダーのあるべき姿だと話す。 「恐怖は、人間の深い感情的な衝動を利用するものだ。それに対し、愛や思いやり、あるいは尊敬は、衝動を利用したりその衝動に基づいて利益を得ようしたりすることもできるが、その人の人となり、その人の心を満たすもの、その人を良い気分にさせるものとよりうまく調和する」と、ケイズ氏は語った。 カリフォルニア州立フラートン大学のリーダーシップ学教授で、神経科学とリーダーシップのコンサルタントとして、リーダーやエグゼクティブチームにリーダーとして成長する方法をアドバイスしているライアン・ゴットフレッドソン氏によれば、実際にリーダーを駆り立てている恐怖は、面目を失うことや失敗を犯すことへの恐怖だという。 非常に優れたリーダーは正反対のマインドセットを取り入れており、「困難に足を踏み入れ、失敗を犯すことさえ厭わない。なぜなら、その過程で多くのことを学べると考えているからだ」と、ゴットフレッドソン氏は話す。 「彼らが重視しているのは結果ではなく、目的を達成し、他者のために価値を生み出すことだ。彼らは自分の力とエネルギーを他者と分かち合うことで、リーダーシップを発揮している」 。 [原文:A third of managers harbor unconscious fear, leading to $36 billion productivity loss] Hailey Mensik(翻訳:佐藤 卓/ガリレオ、編集:分島翔平)
編集部