オーストラリアで16歳未満のSNS利用禁止法、日本はどうなる? ジャーナリストが解説
オーストラリアでは16歳未満のSNS利用禁止法が2025年末からスタートします。世界各国でも子どものSNS利用について規制の流れが進みつつありますが、日本ではどのような議論がされているのでしょうか? SNSがもたらす悪影響や、親子でSNSとうまく付きあう方法など、ジャーナリストの一色清さんに解説してもらいました。 【データ】いまどきの子、スマホはどのくらい持っている? ■オーストラリアで若年層のSNSが禁止された理由 オーストラリアで2024年11月、16歳未満のSNSの利用を禁止する法案が可決されました。国全体で若年層のSNSを禁止する法律ができるのは、世界で初めてです。25年末には施行されます。 禁止といっても、利用した16歳未満の人やその保護者が罰せられるわけではありません。SNSを運営するプラットフォーム事業者に、16歳未満の子どもが利用できないようにする措置を求め、違反した事業者に罰金を科すというものです。 規制の対象となるSNSは動画投稿アプリ「TikTok」、写真投稿アプリ「インスタグラム」、X(旧ツイッター)、フェイスブックなどです。ユーチューブについても禁止の対象になる可能性があります。 オーストラリアでは、子どもが性的なコンテンツにアクセスすることを防ぐための議論が活発になっていました。また、いじめに使われるとか暴露やニセ情報に巻き込まれるといった悪影響を訴える声も出ていました。 ■世界各国で子どものSNS利用、規制の流れが進む オーストラリア以外の国でも、SNSを禁止したり制限したりする法律についての動きが出ています。 ノルウェーでは24年10月、ストーレ首相が15歳未満のSNSの利用制限を検討すると表明しました。現在は法律で13歳未満が親の同意を得ずにSNSのアカウントをつくるのは違法となっていますが、その対象年齢を引き上げるとみられています。依存やいじめなどの悪影響が大きいというのが理由のようです。 イギリスでは23年10月、オンライン安全法が成立しました。自殺や摂食障害を助長する情報などを「子どもに有害な情報」と定義し、子どもが見られないようにする措置をSNS事業者などに義務づけています。