日清食品「完全メシ」の率直な疑問→ぶっちゃけ「栄養は取れても、味の方は大丈夫なの?」 開発担当者に直球質問
健康維持のために必要な栄養がすべて含まれている食品として、近年、注目の高まりを見せている「完全栄養食」。各社からさまざまな商品が発売される中、コンビニやスーパーの売り場で多く見かけるのが日清食品(東京都新宿区)の「完全メシ」シリーズです。同社おなじみの「カレーメシ」「日清焼そばU.F.O.」の他、カップスープやスムージー、パスタソース、冷凍食品などさまざまな商品がそろう中、今年9月には「完全メシ」では初となる「カップヌードル」シリーズの新商品も登場。“おなじみの味”と“いつものおいしさ”で、しかも栄養バランスが整った商品ラインアップとなっています。 【画像15枚】「えっこんなに豊富なの!?」 これが「完全メシ」商品ラインアップです! しかし一方で、この「完全メシ」に対して「普通のカレーメシと何が違うの?」「健康志向の食品って、なんかおいしくなさそう…」「栄養は取れても、味の方は大丈夫なの?」と思っている人も少なくないのではないでしょうか。そこで、「『完全メシ』って実際どうなの?」「何がどうすごいの?」というストレートな“ちまたの疑問”の数々を、日清食品の担当者に聞いてみました。
「足りない栄養素を加えればいいだけ」ではない
Q.そもそも「完全メシ」とは何ですか。 担当者「『完全メシ』は、『日本人の食事摂取基準』で設定されたビタミン、ミネラルなど33種類の栄養素とおいしさの完全なバランスを追求したブランドです。当社の最新フードテクノロジーを駆使することで、タンパク質、脂質、炭水化物の三大栄養素のほか、ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸もバランスよく整え、さらに、栄養素独特の苦みやエグみを抑えることで、普段の食事と変わらないおいしさを実現しています。 2022年5月に『完全メシ』5品の販売を当社のオンラインストアで開始し、2022年9月からは全国のスーパーやコンビニにも拡大しました。また、同年9月から『冷凍 完全メシ DELI』の販売も同オンラインストアで開始しました。2022年の発売から2024年9月末までの期間で、累計出荷数は3300万食を突破しています」 Q.「完全メシ」といえば、パッケージの“上の部分”がビジュアルとしても特徴的ですが、あの部分には何が入っているのですか。 担当者「パッケージの“上の部分”には、各商品の調理に必要なソースやオイルなどが入っています。 『完全メシ カレーメシ 欧風カレー』の場合は、コリアンダー、カルダモンなどのスパイスを使用し、タマネギのうまみと甘みでコクを、唐辛子でピリッとした辛みを加えた『粉末カレーパウダー』と、バターの風味を閉じ込めた『仕上げオイル』が入っています。 また、『完全メシ カップヌードル 汁なしシーフードヌードル』の場合は、ポークのうまみをきかせ、アクセントに紅しょうがを加えた『粉末ソース』と、魚介の風味をきかせた『調味オイル』が入っています」 Q.「完全メシ」は、何がどう「完全」なのですか。「これだけ食べていればOK!」と信じてしまっていいのでしょうか? 担当者「『完全メシ』は、1キロカロリーあたりの栄養素のバランスを調整し、しかもおいしくなるように設計しています。 必要な栄養素の量、エネルギーの量は性別、年代、活動量によって異なります。男性の方が必要量の多い栄養素もあれば、カルシウムや鉄のように、女性の方が必要量の多い栄養素もあります。また、ビタミンA、D、Eなど、取りすぎるとよくない栄養素もあります。そうした条件を全て加味し、18歳から64歳の男女が1650キロカロリー摂取すれば、必要な栄養素の量を満たすように設計しているのが『完全メシ』です。 一般的に食生活は、食事のバランスが重要とされていますので、主食、主菜、副菜を基本として、食事のバランスを取る中で『完全メシ』をご活用いただければと思います」 Q.栄養を重視した食品は、「正直、おいしくなさそう…」「栄養は取れても、味は微妙なんでしょ?」というイメージを持っている人も少なくないと思います。その点、「完全メシ」はどうでしょうか。ぶっちゃけ、おいしいですか? 担当者「商品化する上で絶対に欠かせないのは、『栄養バランスが調整されていること』と『普段の食事と変わらないおいしさを実現すること』です。 栄養バランスを調整するといっても、『足りない栄養素を加えればいいだけでは?』と思われるかもしれませんが、栄養素の中には独特の苦みやエグみを持つものがあり、栄養素をそのまま加えてしまうと、味に影響が出てしまいます。健康志向の食品に『通常のものとは味が違う』といった印象を持たれるのは、それが理由です。 しかし『完全メシ』の場合は、次に紹介するような当社のフードテクノロジーを駆使することで、普段の食事と変わらないおいしさを実現しています。 【おいしさの再現技術】 当社がインスタントラーメンなどで培ってきた加工技術や、さまざまなうまみ素材などを駆使することで、栄養素の苦みやエグみを感じることなく、おいしく食べられるようにする独自の再現技術です。 【米の加工技術】 お湯をかけて5分で戻る当社の独自製法を使い、米と栄養素を一緒に炊き込むことで、米本来のおいしさはそのままに、栄養素の配合を可能にした独自の技術です。 【減塩技術】 世界中から約170種類もの塩を集めて研究を重ね、ミネラルやアミノ酸などを配合することにより、塩が少なくてもおいしく感じられるようにする独自の技術です。 【3層麺製法技術】 麺の中心層の一部に、小麦粉の代わりに食物繊維やタンパク質を使用する技術で、おいしさはそのままに栄養素を配合しています。 【肉の加工技術】 大豆タンパクや野菜などを混ぜてミンチ状にし、フリーズドライ加工する独自の加工技術で、肉本来のおいしさを追求しています。