ブラジル期待FWビニシウス封じに成功した長友佑都が感じた森保Jの課題と収穫「最終的な部分で個の力を伸ばさないといけない」
日本代表とブラジル代表の国際親善試合が6日、6万3638人の大観衆が駆けつけた国立競技場で行われ、FWネイマール(30、パリ・サンジェルマン)が後半32分に決めたPKを守り抜いたブラジルが1-0で勝利した。FIFAランキング1位の強敵に食い下がった森保ジャパンで右サイドバックとして先発し、ブラジル期待のFWビニシウス・ジュニオール(21、レアル・マドリード)を封じた長友佑都(35、FC東京)の言葉を介して収穫と課題を追った。
「ビニシウスには絶対にやられない、仕事をさせない」
対面の左サイドに配置された、ブラジル期待の新星には絶対に仕事をさせない。ピンチを察した長友が一気に加速し、日本ゴールへ迫るビニシウスを追走した。 ともに無得点で迎えた前半アディショナルタイム。長友のスローインを受けたMF田中碧(23、フォルトゥナ・デュッセルドルフ)に突っかけたビニシウスが、こぼれ球を拾ったMFカゼミロ(30、レアル・マドリード)の縦パスで抜け出した直後だった。 「相手が強くなればなるほど自分の価値を証明できるし、自分の実力を発揮できると言いましたけど、実際に自分のモチベーションもすごく高かった。ビニシウスには絶対にやられない、仕事をさせないという強い気持ちで試合に入っていました」 ブラジル戦を前に気合いを高めていた長友が、ビニシウスとの間合いを一気に詰めていく。DF板倉滉(25、シャルケ)と挟み撃ちにする状態となり、背後から長友がプレッシャーをかけた直後にビニシウスのボールコントロールが乱れた。 こぼれ球を収め、前方へパスを送ろうとする板倉をビニシウスは追おうともしない。長友のファウルだとアピールするゼスチャーは、アリレザ・ファガニ主審(イラン)に受け入れられなかった。タイマン勝負で長友に軍配が上がった瞬間だった。 主戦場としてきた左サイドバックではなく、菅原由勢(21、AZ)の負傷離脱で手薄になった右サイドバックで先発。6月シリーズ初出場を果たした。 初招集された伊藤洋輝(23、シュツットガルト)が左サイドバックで及第点のプレーを披露し、山根視来(28、川崎フロンターレ)も右サイドバックで躍動した2日のパラグアイ代表戦(札幌ドーム)が、長友の闘争本能をたぎらせていた。 「左も右もできる自信はありました。ただ、代表のレギュラー争いという部分では、もちろん常に生きるか死ぬかの戦いですけど、特に今日は1対1で負けていたりしたら僕はもう終わり、ワールドカップ代表には選ばれない、という気持ちで臨んでいました」