「老後資金は節約で貯めるな」2500件の家計を救ったお金のプロが断言、おすすめの財テク4選
50代、60代になって老後が見えてくると、不安になるのがお金のこと。子育てや住宅ローンなど、あれやこれやで使い切って、「貯金がこれだけしかない」と絶望しそうになるけれど……。どうすればいい? 【写真】FPがおすすめ!60代がすべき財テク「NISA」の制度内容 多くの家計を救ってきた人気FPの山口京子さんに話を聞いた。
老後は自分でデザイン、不安は行動で解決を
「まず知ってほしいのが、老後、好きなことができる期間は意外と短いということ。女性の平均寿命は90歳近くまであるけれど、健康面で制限されることなく行動できる健康寿命は平均75歳。今60歳だとすると、あと15年です」(山口さん、以下同) 年に1回、旅行に行きたければ、チャンスはあと15回。 「これを知ると、相談者の皆さんの意識が“やりたいことを早くやっておかなきゃ”と大きく変わります。ようやく子育てや仕事の終わりのめどが立ってきたわけですから、心の奥底にしまっていた願望を思い出してみましょう。私はこれが好きだった、やりたかったということに早めに気づいて、実現していく算段をつけて」 推し活、畑作り、旅行、やりたいことは人それぞれ。一度きりの人生、少しでも実現する方法を考えたい。そうして自分の老後をデザインする上で、重要なことはお金の不安を解消することだ。 「ばくぜんと悩む前に、まず自分の現状を知りましょう。紹介する“ロト図”を書いてみてください。1か月分の生活費、仕事を終える予定の年齢、年金をいつからいくらもらえるかを記入してロト図をもとに計算すると、老後、年金だけでは足りない金額がわかります」 年金をいつからいくらもらえるかは、日本年金機構から届く「ねんきん定期便」や、「ねんきんネット」などでわかるので必ずチェック! 年金だけでは足りないお金が、これまでの貯蓄や退職金でまかなえるならOK。貯まっていないなら対策を考え、それを実行に移す“行動”が必要になる。
老後資金は節約で貯められない
老後資金対策としては、ロト図で記入した生活費の設定を低くする、仕事をやめる時期を先延ばしにする、といった方法が考えられる。 計算してみると、老後資金を貯めるには「節約して余った分を貯蓄にまわす」という今までの方法では間に合いそうにない、という人も多いだろう。特に厚生年金に加入していない非正規雇用や自営業の夫婦、シングルの方などはお金が大幅に不足しがちだ。 「その場合は、健康に気をつけながら、ゆるゆるとでかまわないので老後も働き続けることを考えてください。その仕事が自分が得意なこと、好きなことなら、なおいいですね。 社会と接点を持ちながら自分の力を発揮して働けば、健康寿命も延びるはず。パートも、〇〇万円の壁なんて気にせず元気なうちにどんどん働きましょう」 お金を貯める際に気をつけたいのが、いきなり投資で一発逆転を狙おうとはせず、まず土台となるお金を確保することだそう。 「生活費用の“使う口座”に生活費3か月分。ここはしっかりキープして。そして、5年以内に使う予定のあるお金やピンチの時用の“貯める口座”も用意しておきたいところ。ここを優先して固めつつ、投資などで“増やす口座”をつくるといいですね」 ひと月の収入が入ったら、10%以上のお金を“先取り”貯金するのがおすすめだ。