50代スカスカ骨密度「ちょっとしたことで骨折」あなたの骨は大丈夫?
50代から増える骨折って?重いものを持ち上げた、咳をした、といった「ちょっとしたこと」で起こる骨折が増える。ぎっくり腰と思っていたら、実は骨折だったというエピソードも。どうして急に骨が弱くなってしまうのか。美容ジャーナリスト 小田ユイコが薄井陽産婦人科医で、女性のライフステージに合わせたヘルスケアに取り組む善方裕美先生にお話をうかがいました。 更年期・加齢による「50代健康のお悩み」
50代女性の「ちょっとしたことで骨折」は、骨の“作り替え”がうまくいかなくなるのが原因
これまでの人生で一度も骨折をしたことがない人にとって、女性は50代になると骨折しやすくなる傾向にあるとは知っていても、自分の身に起こるとは想像しにくいもの。骨折してみて初めて、自分の骨がもろくなっていたことに気づく人も多いそう。 50代の女性にとって、なるべくなら自分ごととは思いたくないジョーカー的ワード「骨粗しょう症」。道端でつまづく、重い荷物を持ちあげる、そんな「ちょっとしたことで」骨折してしまうほど、女性は50代になると骨がもろくなるのはなぜなのか。 「更年期になると、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に減少します。エストロゲンが少なくなることによるカラダの変化はさまざまですが、骨への影響も大なんです」。と善方裕美先生。 女性ホルモンのバランスと密接に結びついた女性のライフステージをサポートし続けてきた善方先生は、特に更年期の「ちょっとしたことで骨折」に警鐘を鳴らしてきたといいます。 ■骨は常に「壊して作る」を繰り返している 硬い骨は、イメージ的にずっと変化がなさそうに思いがちだけど、実は新陳代謝を繰り返している=常に新しいものにつくりかえが進行している「臓器」なのだそう。 「骨が新しいものにつくりかえられることを『リモデリング』と呼びます。骨には破骨細胞と骨芽細胞が存在し、破骨細胞は古くなった骨を壊して『骨吸収』を行います。その壊された部分に骨芽細胞がくっつき、新しい骨を作る『骨形成』を行うのがリモデリング。 このリモデリングがうまくいかなくなるのが更年期以降。その原因は、破骨細胞の働きを制御するエストロゲンが減ってしまうため。エストロゲンが減ると破骨細胞が暴走してしまい、骨芽細胞が骨をつくるのが追い付かなくなってしまうのです」。